東方美人1

6月の台湾、東方美人に誘われて

「東方美人の畑を観に来ませんか?」

 そう声を掛けてくださったのは、台湾でお茶の製造と販売を営む陳さん。
陳さんの家は親子3代に渡って60年以上続いている東方美人の茶農家さんで、台北にはお姉さんがオーナーを務めるお茶の専門店もあります。

東方美人のお茶作りが最盛期を迎える中、親切にも茶畑と製茶風景を案内してくださいました。

 極上の台湾茶の中でも特に希少で、薫り高い東方美人茶。
美味しいぶん、お値段も高価になりがちでとかく敷居の高いお茶ではありますが、その製造の現場に触れてみると意外にも少しだけ身近に感じられるような気がしました。

 今回は、たくさんの人の思いと手間を受け取った東方美人茶を巡る旅をご紹介していきたいと思います。

 訪れたのは6月の初旬、今年は2ヶ月遅れの梅雨が大変だという台湾は毎日のように大雨が降っていました。日本より暖かな気候の台湾では梅雨の雨もしとしと・・・というわけではなく、かなりの豪雨になるようです。
 訪台中の間も短時間にどっさり降っては2時間ほどで止む、という雨を繰り返していました。

お茶作りに雨は大敵で、茶農家さんたちも頭を悩ませているようです。陳さんも移動中の車の中で「雨は嫌い!」と苦笑いをしていました。

 台北から車で1時間半ほど行ったところにある苗栗縣頭份市はとても穏やかな地域で緑が多く、茶園の周辺にはのどかな田園風景が広がっていました。
伺った日も朝から茶摘みをしていたそうで、東方美人の畑には手摘みで茶葉をひとつひとつ摘み取る茶摘み娘さんたちが精を出されていました。

 まぁ実際には・・・茶摘み娘さんというにはちょっとお年を召したベテランの女性が中心なんですけどね。

 陳さん一家の畑はとても広大。それもそのはずで東方美人茶は若芽の小さな茶葉を使うため、たくさんの茶樹が必要になります。また、このお茶はウンカという虫の力を借りて作られるので茶畑のお手入れも大変です。除草剤はほとんど撒かず、下草も伸びた中でひとつひとつ、手摘みでウンカの吸った茶葉だけを収穫していきます。

 生茶(摘んだばかりの乾燥させる前の茶葉)は2kgほどあっても製茶すると600gにしかならないのだとか。茶摘み娘さんお1人が1日に摘める量を考えると、いかにこのお茶が手間をかけて作られているかがうかがえます。

若芽の茶葉はまだ小さくて柔らか。新芽の先についた一芯二葉を選んで摘み取ります。


次回はいよいよ、製茶工場へ >>


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