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優良企業ほど、DAU(DailyActiveUser数)を指標に挙げてる気がする

いろんなセミナーに参加すると、期せずして色んな会社の優秀な人に、心臓部の話を聞けるのが儲けもの。

話を聞く前から「この会社、堅実に伸びていて優秀」と感じているところは、
課題発見のプロセスや、定点観測する数値がしっかりしていて、そりゃ伸びるわ、と納得させられるところが多い。

それも、ただただ仕組みが整っているから良いという意味でなく、芯を突いた数値など、課題の芯を突くための仕組みをちゃんと整えているという感じがする。

そういった企業でどういう指標を見ていますか、と聞くと、DAU(DailyActiveUser数)を見ているとよく聞く。
(もちろんそれ以外も見ていると聞いている)

何が驚きポイントかって、成長した後の企業でDAUを見ているというところ。

成長したらDAUとか見なくても全然自然

実際、スタートアップがリーンに進めようとして、DAUを見るのっていうのは納得。
あんま取れるデータもないし、1人増えたらいくら儲かるっていうのが直感的だし、なにより、デファクトスタンダードだから、思考停止で取り入れているという側面もあると思う。

でも、成長すると、いろんな数値が取れるようにもなるし、数値に注視しなくても波に乗っていれば勝手に数値伸びている場合、見る数値の妥当性の検証なんて必須じゃないし、流行りのいろんな数値も見れるようになってるだろうし、
なんだったら、最終工程の「売上」だけ見て、「定点観測してるんでござーい」って言ってる企業もザラにありそう

成長している中でDAUを見続ける意義

成長している中であえてDAUを見続けるのは、ちゃんと考えると次の理由で実質的だと感じる

X. 結局うちを愛し続けてくれる人がどれくらいいるのかがビジネスの根源
Y. 日々の改善施策で見る数値は、大きな実質的な数値だと色々良い

    • DAUと言ってるが、WAU(Weekly)でもMAU(Monthly)でも構わない

    • DAUがKGI・KPI・NorthStarMetricのどこに位置しようが問わない

X. 結局うちを愛し続けてくれる人がどれくらいいるのかがビジネスの根源

「この数値が良いって本で言ってた」「売上 = 客数 x 単価 x 客単価 で、客単価くらいしか変わらんやろ、そこ全振りじゃあ」「数値やないねん、何がしたいかやねん」「改善とかの前にGoogleAnalyticsとかでもっと数値深ぼらないと」など定点観測する数値に関しては、昨今の東京だけでも1万回は議論されているだろうけど、

DAUの良いところは、身も蓋もなく「そのプロダクト(サービス・製品)を愛してくれる人の数」を表すこと。

他の数値がいくら上がっていてもこの数値が落ちていたら、かなり危険信号と言えるし、この数値が上がっていたら、本当に良いプロダクトということを表す。

また、この数値の改善は、小手先ではどうにもならず、実際のユーザの課題を解決したり、既存セグメントと違うところを掘りに行かなければいけない。

根源と言えるのは、上記のように心臓部ということも言えるし、この数値から、いろんな概念が生まれる点でも言える。

ActiveUserの種になるような流入が必要になり、そうなると、マーケティング人材と協調して進めることが加速されるし(webならhowとしてのSEO Webマーケティング)、
新規を取りに行こうとしたら、自身のサービスがどういうお客さんを相手にしているかを定義した上で獲得しに行くという解像度アップも狙える。

サブスクサービスで継続を測りたいなら、この数値の応用であるn日間継続数なども使える。
DAUという概念を軸に数値や関わる領域のエコシステムが形成される。

この動画で西口さんが言っているように、お客さんが誰かわかっていないって、多くの会社で起こっているだろうけど、そこを切り口にするインセンティブも生まれる

Y. 日々の改善施策で見る数値は、大きな実質的な数値だと色々良い

改善プロセスを洗練させようと思うほど、「小さく試す」「科学的に数値で検証する」っていう方向に突き進みたくなるけど、

身も蓋もなく言えば、個々の施策でそんなに数値は変わらない笑。
(ある種ビジネスマン失格な発言かもしれない)

プロダクト開発はアジャイルの流れや、「小さく試す」流れで、1つ1つの施策が小さくなり、早いと1日、1週間〜1ヶ月とかに小分けにされて試されることになるけど、数値という見た目は単純でも変化させるには複雑怪奇な魑魅魍魎に対しては、焼け石に水になることが多々。ほとんどの施策で数値は変わらない。特にUXを相手にした改善は痒いところに手が届くっていう変化は生むけど、数値は改善されにくい。

なんだったら「この数値が変わるんです、科学的なプロセスを踏んでいるんです」ということを社内メンバーに説得するために、その施策用の数値をこしらえたりするのに時間がかかる。
それをしていることを仕事だと勘違いしたりもしたり、実質の心臓部を掴んでいるかどうかを無視して、内容のない社内プロセスの稟議通過タスクに時間を溶かすこともザラ。

上記のようなくだらないけれども、無駄なことに多くの社会人の時間が溶かされる背景からしてもDAUは都合がいい。

単純で、実質を掴んでいるから、関わる人達に実態や変化が伝わりやすいし、
大きな数値はそんなに変わんないんだよっていう前提が通れば、
場が固定で、仮説検証の場数を増やすことに目がいきやすくなる。

日々変わらない数値を相手にするとモチベーションが上がらなくなるから、ピープルマネジメントの面で、不健全なプロセスにも見えるかも知れないけど、
そこでこそ、定性的な課題解決感。

ユーザインタビューで、「ここ使いやすくなりました」って声が聞けたら数値向上よりメンバーは嬉しいし、実際の数値向上の種になる。
さらに、ちゃんと体験がグッと良くなるときって、身も蓋もないことに数値もちゃんと上がる。

最後に

上記のように、DAUを見ることは実質的だと感じるし、伸びている会社が採用しているっていうのは納得。

初手でこの数値をちゃんと見れるようにしたい

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