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プロダクトマネージャーが優秀かどうかはプロダクト成否のポイントだろうけど、転職での入り口や必要数がめっちゃしょっぱそう

プロダクトマネージャーの能力の影響力

実際、プロダクトマネージャー(以下PdM)の優劣がプロダクトの成否を左右するといっても過言ではない。その人の方針で、エンジニアなど改善ソルジャーが動いていくわけだから、改善の精度はPdMの絵図に依存する。

LeanとDevOpsの科学で、エンジニアの能力の質の違いで、生産性が20倍とか違うみたいな話もあったけど、PdMでも同じか、それ以上に違いがあるように感じる。何だったら、0倍やマイナス倍もあると感じる。エンジニアの生産性ほど可視化しにくいので、将来も数値化されないと思うが、体感そんなに間違っていないと感じる。

ちなみにPdMについて語るとき、以下の凡例の意味でPdMという言葉を用いる

  • プロジェクトマネージャー(以下PjM)

    • 任されたリソースを使って決められたお題、特にプロジェクト遂行を指揮する

  • プロダクトマネージャー(PdM)

    • PjM能力を下地に、リソースを使ってプロダクトを育てる。そのために、課題(何をやらなければならないか)探索したり、どう改善していくかの方針を立てていく

    • ジュニア層として「アソシエイトPdM」の段階があり、課題探索の手法を持つが、プロダクトを育てる責任や方針決めまでの能力を持たない段階を指す(ポテンシャル層でもジュニア層免許皆伝みたいなイメージ)

  • Webディレクター

    • 多義的なワード。PjMを指すときもあればPdMを指す場合もある。

    • PjMを指す割合の方が多そうなイメージ。

枠の少なさ

佐々木さんが言っているのがまさにそのとおり。

エンジニアやデザイナーは、数いてくれるとその分できることは増えるし、最悪多すぎたとなったら、他に移したり減らしやすい。

けど、PdMは、複数の手を動かすエンジニアとかがいて始めて成り立つ(現実ではメンバーになる順番は逆だけど)。
1つのプロダクトにPdMは1人じゃないといけないわけじゃなくて、複数人いていいけど、エンジニアほどは雇えない。しかも給与相場が高い。

しかも、社内のエンジニアとかのキャリアパスとして、
PdMとまでいかなくても、PjMやチームリーダーとかになる道もあるから、
社内からの供給枠でもある程度足りちゃう。

優秀なPdMが求められる

だからこそ、わざわざこの枠(PdM, PjM, Webディレクター)を外から採用してくる場合は以下のパターンが多そうな気がする

  • A. 優秀な人がいるなら取りたいという需要

  • B. 数が必要という需要。特にPjMとしてのWebディレクター

    • B-1. 外部委託のため、改善リソースがエンジニアの数でなく、PjMの数に依存するため

    • B-2. 人が辞めてしまうため

わざわざ今PdMで転職市場に来る人間は、B(特にB-2)でない現場に入りたいと思って参入するが、そもそも優秀じゃないとAの需要を満たせないため、結構しんどい。

では、Aに満たない優秀でない状態から、優秀になるにはどうすればいいかと言うと、<X. 優秀なPdM>のもとで<Y. 経験を積む>こととなる。

だが、<X. 優秀なPdM>のもとで働くには、優秀なPdMがいる会社に入らなければならないが、それこそPdM業の枠も少ないし、<A. 優秀な人がいるなら取りたいという需要>の壁で入れない。ポテンシャル層でも相当優秀になるぞこいつ、と感じさせる程でないといけない。

また、教育手法やパスがそんなに整備されているわけでもないから、優秀でないPdMが育つのは至難の業。コンテンツ化されやすい座学教材は世の中に流布されるようになったが、身もふたもないことに奥義は<Y. 経験を積む>ことによってしか得られない。

PdMの需要は顕在的にも潜在的にも高いが、それは優秀なPdMに限り、その養殖手法は固まっていないから、天然の優秀PdMを探さなければいけないという、探す側も雇われる側にも厳しい状況になっている。更に、どういうPdM業が優秀かっていうのもそんなに一般化しておらず基準も持ち得ないから、各社どういう観点があれば優秀かそんなに判断できないかも。

余談だけど、師弟制のPdM派遣業できないかな。
優秀なPdMが、PdMは片手間でできず、フルコミットに近い形で関わらざるをえないから、自分ひとりの体じゃ足りないからっていうことで、弟子を会社に派遣して、弟子は師匠である優秀なPdMに育てられるっていう仕組み。<X. 優秀なPdM>の指揮のもと、派遣先の会社で<Y. 経験を積む>形。
あー、でも本質的には機能してないけど、頭を派遣するっていう点では、アクセンチュアとかコンサル派遣が古来からその役割を担っているのかも。テコ入れするには、コンサルとPdMを別様の肩書にするのではなく、PdMエッセンスをコンサルに輸入して吸収させるっていうのが、受け皿として都合がいいのかな。うまくワークしそうにないけど。

ポテンシャル層が優秀なPdMになるパスの案

ポテンシャル層が優秀なPdMになるにあたって、ポテンシャル層のままバカ正直に転職市場に自分を投げ込んでもなかなか厳しいというのが、上記で書いた通り。

以前佐々木さんがドラクエの転職システムに例えて、PdMは上級職の魔法戦士、つまり戦士と魔法使いという基本職をマスターしないと転職できないような立場のものって言ったけど、
枠の少なさなどのハードルから、他の転職より壁は厚く、実際は転職するにあたって、上級職中盤くらいじゃないと転職できない無理ゲーに近いところになっていそうな体感。

ただ、転職で入るのが難しいというだけで、実は、1つ道があることは前述している。それは、内部からのパスである。社内でのエンジニアやデザイナーからのキャリアパスとしてのPjMやPdMという道は残されている。外から入るのは優秀な状態で三顧の礼を持って高給で雇われる必要があるが、中から入ってボトムアップするという方法がある。
きれいな世界で言えば王道とはいえないし、抜け道感があるけど、今の社会に受け入れ態勢が整っていない状態だったら、これが妥当なパスのように思える

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