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ああ、愛おしき閉鎖病棟ライフ

閉鎖病棟は暇です。本当に。
電子機器はスマホだけが許されていて、他タブレットやゲーム機器などのものは許されていません。
(スマホもダメな病棟もあるらしいので私の病棟はだいぶ患者に優しい。)

病棟にある漫画や本は鬼滅以外はめちゃくちゃ古い、そういや親世代が読んでたな(笑)っていうものばかりなので読む気もしない。

そんな、暇暇な毎日。とある人が言った、
"男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり。"
という言葉を思い出しました(古)。

暇だし、日記でも書こうかと。女だし。
(土佐日記書いた人は実は男性って聞いたけど。)
(諸説あり)

というわけで、入院中の私の1日を書いてみました。
常に暇なので内容がすっからかんなのはすみません。

朝 6:00  起床

朝の6時になると病棟と部屋の電気がつき、看護師さんが窓の中にあるブラインドをキリキリ回して開ける。
朝の日差しが飛び込んでくる。
と同時にとっくに起きていたらしい部屋のおばあちゃんが別の部屋のおばあちゃんと談笑を始め、
隣の人が看護師さんと談笑を始める。

私はそんな朝から賑やかな環境に抗うが如く、布団を深く被る。

が、それを見た看護師さんに起こされる。

とりあえず、モニョモニョ言いながら適当に返事をしてまた眠る。

朝 7:30  朝食

朝食が運ばれてきたという放送でなんとか目を覚ます。そして布団の中で朝食が運ばれるのを待つ。
朝食を置きにきた看護師さんが時には笑いながら、時には勢いよく私を起こす。

流石に私もせっかく出された朝食を食べずに寝ているのはいかがなものかと思うので、とりあえずご飯とお味噌汁だけ食べる。
あゝ健康的。

朝 8:00〜9:30  服薬&バイタル

食事が終わるといつも飲んでいるお薬を看護師さんが持ってきてくれるので、それを飲む。
ここは閉鎖病棟なので、薬は基本的に手のひらに出してもらい、飲み終えるまで看護師さんがじーっとみている。
私が飲んでいる消化器内科の薬が死ぬほどまずいので、飲み終えたあといつも「まず〜🤢」と言って看護師さんに笑われる。
そこまでがルーティン。

バイタルは血圧、脈拍、体温。
月曜はそれに加えて体重測定がある。
バイタルはいいが、体重測定は死ぬほど嫌なので、いつも体重計の数字を見ないで、キリッと前を向いている。
見たら卒倒してしまう自信がある。
誰か一緒にダイエットしませんか?

朝 9:30〜12:00  暇

そう、暇である。
何もすることがない。
なので私は大体、10時ごろまでTwitterを徘徊し、10時ごろからは病院内を徘徊する。
(詳しいルールは言えないのだが、私の病院では任意入院の人は一定時間だけ閉鎖病棟の外に出られる。)
大混雑している外来を高みの見物と言わんばかりに舐め回すようにみて、顔が死んでいる医者を探しつつ、院内を徘徊し、売店で適当なカフェラテを買って病棟へ戻る。

だいたい30分くらいで帰る。

(余談ですが、私以外にも病棟の外に出ている人はたくさんいて、病院内で出くわすと必ず会釈する。病棟ないではお互いスルーなので、不思議な文化だなぁと思う。)

帰った後はデイルームという、OTをしたりテレビをみたり、勉強したり本を読んだりする部屋でくつろぐ。
私はデイルームの隅っこの壁の辺りにいる。
ここにいるやつはなかなかいないので、看護師さんにいつもあそこにいる子だよね、と謎の認知をされている。

たまにそこで死ぬほどくつろぐのだが、くつろいでいると必ず、「いやくつろぎすぎな笑」と看護師さんが言いながら通り過ぎる。
これも一つのルーティン。

昼頃までツイッターをしつつ、病棟内をウォーキングするおばあちゃんやせかせかと動いている看護師さんを眺める。

昼 12:00  昼食

朝から割とガッツリなのに、問答無用で昼食が運ばれてくる。
正直、昼はマックとか唐揚げ定食とかなんかジャンキーなものを食べたいのだが、病院なのでジャンキーなものは出てこない。
健康的で仕方ないご飯を適当に胃に流し込む。

ただ、昼食だけ唯一デザートが付いてくるのでそこだけが楽しみ。
最近は冬〜春なのでイチゴが多い。
イチゴは1番好きな果物なので嬉しい。

オレンジの日もある。
オレンジの日は服がオレンジの果汁で汚れそうになるし(てか汚した)、前歯に詰まる恐怖と闘いながらになるので少し憂鬱。

他にもキウイとパイナップルの日がある。
喉がカサカサするコンビで嫌だなぁとか思う。

本当にそんなことしか考えてない。
暇すぎて。

昼 12:30  服薬

食事が回収され、薬が入ったカートを看護師さんが持ってくる。
朝と同様「まず〜❕」っていうくだりをやる。
退院までやろうかな。

私は精神科のお薬は頓服以外だと夜と寝る前しか飲まないので、夜まではずっと内科系のお薬を飲んでいる(何情報?)。

昼 12:30〜15:00  暇

再び長い長い暇がやってくる。
この時間私はデイルームでぼんやりしている。
ぼんやりしながら、推しと好きの違いは何か?とか、呪術は本当に効果があるのか?とか、オカ板のホラーは作り話じゃなく現実の方が面白いよな?とか、もし私にでかい涙袋があったらどれくらい人生に影響を及ぼしていたのか?とか丑の刻参りをする勇気が出たらどうするか?とかどうでもいいことを考えている。

書き出してみると本当に下らなくてびっくりする。
まぁただ、病んでしまうと、そういう下らない考えとかが思い浮かばなくなり、思考が死一色に染まり薄らぼんやりした憂鬱が続くので、こうしてしょうもないことを考えられるようになって良かったのではないかな?と思っている。

というか、退院したら誰か縁切りの神社行きませんか?

昼 15:00  おやつ

3時になると、おやつの時間です。という放送がかかり、患者はみんな一斉におやつを食べる。
患者の中には食事制限をされている人がいるらしく、おやつの時間になると鍵のかかった戸棚や、冷蔵庫からおやつを取り出し、選択して食べている。

ちなみに私は食事制限はないが、これ以上太ってしまうと本当に人権を失ってしまうため、歯をギリギリさせながらおやつを我慢している。
今何かの具合で体重が一気に30キロくらい減ってガリガリになったら死ぬほどおやつをたべまくって10キロ増量したところで食べるのをやめるのにな...とかまた下らんことを考えている。

いくらおやつを食べても太らなければいいのに。
そして私の食べたカロリーが私の嫌いな人に勝手にのしかかる仕組みになればいいのに❕
と、思っている。(ベースが呪)

昼  15:30〜16:30  看護師さんとお話し、バイタル

だいぶ日が長くなってきましたね。
昼って書くか夕方って書くか一瞬迷って昼にしました。外はまだ明るい。

おやつの時間を見守ってる看護師さんと適当にお話しする。
最近は好きな映画とか好きな漫画や好きなキャラクターの話をしている。はい、平和。
毎日ではないが、たまに、看護師さんに予約を取って、自分の症状の話や、それから悩みに対してアドバイスをもらったりしている。
この時間はすごくすごく有意義で大好きな時間。
入院中唯一の楽しみと言ってもいいくらい。

プロに相談することで、自分とは違う視点で物事を見つめることができて、問題への解像度が上がるし、看護師さんには頭が上がらない。

夕方 16:30〜18:00  回診

この時間に担当医が回診に来る。
デイルームやベッドサイドでお話しする。
外来とは違い、ただの普通の日常生活に精神科医とのお話があり、なんか先生が家に来ているみたいな感覚を覚える。

今は全然ないが、前回入院していた時に担当してくれた先生は20時ごろに部屋に来て疲れた顔でお話ししていたので、わぁ〜大変な仕事だなぁ(他人事)と思っていた。

先生とのお話はだいたい、調子はいかがですか?ちゃんと休めていますか?などから始まり、食事、睡眠に関して聞かれた後、薬の話をしたり、ちょっと踏み込んだ話をしたりする。

外来の診察時間はだいたい5分くらいなのと比べて入院では割と長い間話すため、外来では聞かれないようなことについて聞かれることが多い。
そのため、退院した後外来に行くとちょっと拍子抜けしてしまう。

夜 18:00  夕飯

流石にお腹も空いてくるので夕飯はいつも楽しみに待っている。
日によって、自分で好きなメニューを選べるところが嬉しい。
でも正直、居酒屋でワーッて酒を飲みながら梅水晶やモツ煮込み、刺身などをちびちびと食べたい。
そんな想いを胸に、歯をギシらせて健康的で仕方ない夕飯を胃にかきこむのである。

(余談ですが、私はトマトが苦手なため、主菜にトマトが使われている日だと食べることができず、飢えながら眠ります。
頼むから料理にトマトを入れてはならない法律を作ってほしい。岸田政権、よろしくお願いします。)

夜 18:30  服薬

ようやく精神薬の出番。
私は夜に抗不安薬を飲んでいる。
薬を明かす必要ないかなと思ったが、何かの参考になるかなと思ったので明かす。
ロラゼパムです。
雑魚舌なので、調子が良くないとうまく発音ができない、ロラゼパムです。
効いているかどうかはわからないがよく眠れるので多分効果はあるんだと思う。
もう健康に染まってしまった私は、この辺りから早くも眠気を覚える。すごい。

夜 19:00〜20:00  看護師さんとお話し

基本的に寂しい人間なので、この時間も手の空いた看護師さんに相手してもらおうと病棟を練り歩く。
毎日だいたい1人は捕まえられるので、一緒に話してもらっている。
もちろん、夜勤の看護師さんに相談したい時はあらかじめ予約して、病棟を練り歩きながら相談に乗ってもらう。
夜に相談に乗ってもらったり話してもらったりするのは、なんだか小学生の頃のお泊まり会を思い出してワクワクしてしまう。
いつまでも童心を忘れない私、いいね❕

相談以外だと、やっぱり好きな映画や漫画の話をしたり、インスタを見せてコメントを要求したりしている。
歳が近い看護師さんが割と多いため盛り上がって楽しい。
永遠にこの時間が続けばいいのになぁ〜と入院するたびに思う。

夜 20:00〜21時 服薬、着替え、洗顔、歯磨き

20:00、消灯の1時間前になると、仕方なく寝る前の歯磨きをして顔を洗い、着替える。
洗顔と歯磨きは朝もしているが、うっかり書き忘れた。朝もしていると思ってください。

今日はお風呂に入れない日(病棟では2日に1回しかお風呂に入れない)なので、お風呂は省略。

更衣室もないし、病棟には監視カメラがあるので肝心の着替えはトイレでコソコソしている。
この時、若干惨めだなと思ってしまうのをやめたい。
本当は毎日お風呂に入って清潔にしたいけど、まぁ、我慢。

コソコソ着替えたあとは寝る前の薬を看護師さんが持ってくるので、それを飲む。
これも無駄情報だが、私は寝る前、デエビゴ、クエチアピン、レクサプロ、ロラゼパムを飲みます。
これで一気に眠気マシマシです。
21時がくる頃には夜更かしをしたくても抗えなくなる。
ああ残念無念。
私は嫌でも健康になってしまうのです。

夜 21:00  消灯

部屋の電気は、電気に1番近い病室の人が消す。
私の部屋はおばあちゃんが消灯担当なので、「もういいわよね?」とかいいながら消灯より10分前に消してしまう。
(まあ私はガサツな性格なので、その辺は特に気にしていません。)

早めに電気を消されてしまうともうどうしようもないので、真面目な私は消灯よりも早くに寝る。

これで閉鎖病棟の一日は終了です。

今回は他の患者さんとコミュニケーションをとっていないため、他の患者さんと話す時間がないですが、前回の入院では他の患者さんと結構話していたため、看護師さんと話す時間が他の患者さんと話す時間に置き換わっていたように思われます。

入院する時期によって閉鎖ライフは変わってくるのですね。

もし皆さんが閉鎖病棟に入院する機会があれば、恐れず落ち込まず、人生でなかなかできない閉鎖・ライフをぜひ楽しんでみてください。

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