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社会人前日の最高の休日

4月2日、日曜日。
明日月曜日は新社会人としての出勤初日である。

自由を最大限謳歌できる最後の休日をどう過ごすか決めきれないまま、今朝を迎えた。
ベッドの上で目が覚めたのち、なんとなく起き上がらないまま、うだうだとすること数分。
だいたい9時ごろに足を床につけた。

とりあえず洗濯機のボタンを押し、お湯を沸かしてコーンスープを飲みながらYoutubeを開いた。
登録しているチャンネルのうち、「オモコロチャンネル」の動画でまだ観ていなかった動画を再生する。
それが「最高の1日を考えよう!」という雑談動画だった。


単にオモコロチャンネルのメンバーが理想の休日の過ごし方の案を出し合い、最高の一日のスケジュールを決めていくだけなのだが、これになんとなく触発されてしまった。

ということで今日を有意義な一日にすることを心に決め、まずはゲーム機の電源を起動してリングフィットを始める。
ここ最近そこまで熱心にやっていなかったせいで見事に運動不足になっていた体に鞭を打ち、スクワットや対フッキンリー戦(※リングフィットにはフッキンリーという腹筋トレーニング特化の敵キャラがいる)を完遂する。

ここでだいたい10時すぎ。
服の着替えとメイク、そして洗濯物干しを終え、少し足早に駅へと向かう。

電車に4駅ほど揺られて到着した駅は、以前通っていた高校の最寄駅。
懐かしさが込み上げるなか歩くこと数分。
比較的最近オープンしたカフェに初めて入った。

少し狭く見える店内だが、奥の空間が広がっており思っていたより席が充実している。
ちょうどお昼時に着いたこともあり、カウンターでホットドッグとカボチャのスープのセット、そしてホットカフェオレを頼んで一息ついた。

食事を一通り終えた私は、クリーム色のリュックから文庫本を取り出した。
昨日買ったばかりの新しい本。
それは19世紀イギリスの哲学者J.S.ミルの講演を記した本『大学教育について』である。

明日からは労働者の身分になるということへの反抗の表れなのか、つい書店で手に取ってしまったこの本をカフェオレをお供に読み進めていく。
本の内容については割愛するものの、言語・文学教育と自然科学教育の価値をそれぞれに認め、両者を含めた広い知識とその知識の運用方法を正しく理解した教養人たらしめることに大学の意義があるとする主張が大変面白く、わりとすらすらと読み終えた。

時刻は14時ごろ。
もう少し長居してもよかったのだが、すでに2時間ほどは滞在していたため出てもいい頃合いかと思い席を立った。そのまま大きめの駅ビルをふらつきつつも、最寄りへと帰る路線のホームに向かう。

家の最寄り駅に着くと少し雨がぱらついていた。
風も強く、もしかしたら尻すぼみの1日になってしまうかもしれないなぁと憂鬱な気分に陥りかけたが、歩いているうちにものの数分で雨は止み、畳んだ折りたたみ傘をぷらぷらとさせながら帰り道を進んだ。

家に着いたのはまだ夕方。
夜になってからだとお風呂が面倒になってしまうことがあるので、いっそ明るいうちに入ってやろうと思い、バスタブを軽く洗って湯をわかした。

15年以上愛読している漫画『ONEPIECE』を持ち込んで湯船に浸かって読む。
これが私にとっては極上のバスタイムの過ごし方である。

髪と体をいつもより少しだけ丁寧に洗ってお風呂を上がった私は、まず冷凍庫にしまっておいた唐揚げ用の鶏もも肉を取り出した。
解凍を待ちながらドライヤーやスキンケアを済ませたら、今度は鶏肉の仕込みをする。

ボウルに醤油とお酒、みりん、にんにくとしょうがを多めに入れて鶏肉を漬け込んでいく。
少しだけ暇になった待ち時間でペディキュアをしていく。
会社の新人として清潔感と無難さが求められたとしても、足先だけは強気でいたいという、これも労働への反抗心なのかもしれない。

足の爪をすっかりグレージュ色に塗り終えたらいよいよ食事の準備。
前日に作って余らせていたポテトサラダを冷蔵庫から取り出してミニトマトを飾りつける。
豆腐に生姜をのっけて冷奴に。
そしてお待ちかねの揚げ作業。

片栗粉をまんべんなくつけた鶏肉をジュワッと揚げていき、時々ひっくり返して待つこと数分。
カリカリに揚がった唐揚げの出来上がり。

今日という日のきっかけを作ってくれたオモコロチャンネルに感謝の意を表明するため、再度Youtubeを開いて未視聴の動画を再生しながら唐揚げを頬張った。

そんなこんなで私の就職前最後の一日が終わった。
正確にはまだ真夜中まで時間はあるけれど、明日に備えて早く寝るつもりだから記録はここまで。

どうか明日からの新しい日常が、幸せなものでありますように。

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