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物語を作る人のためのChatGPT講座#2 "ChatGPTにシナリオは書けるのか"編

先日公開したこちらの記事、ずいぶん多くの人に読んでいただきました。
ありがとうございます。

noteさんからこんなのもらったー

さて今日はまたちょっと別の角度から、ChatGPTを使ってみます。
ずばりシナリオ作成。

1.ChatGPTにシナリオは書けるのか?

書けるか書けないかで言ったら、書けます。
これくらいの指示で、これくらいのことを書いてくれました。

これがおもしろいかおもしろくないかは、もちろん個人によるとは思います。
が、個人的には、AIが書いたと思うとすごくよく書けてる!とは思うけれど、単純に作品としてみた場合は、少なくともこの冒頭だけでは、そこまで魅力は感じません。
たわいのない話でも「いまマックで女子高生がさ」ってつけるとおもしろく感じるのに似てるかなー。

2.プロ目線で検証してみた

とはいえこれくらい書けるのなら、限定的な使い方ならいけるかも。
物語を書いていると、エッセンス的にサブキャラのちょっとした会話が必要になることがあるんですよ。たとえば主人公がふらっと入った定食屋での厨房の会話みたいな。まー、定食屋の会話くらいなら、定食屋で耳をすませばなんとかなる気はしますが、ちょっとそう簡単には行けない場所もあります。
たとえばこんなの。

あ、冒頭「コクピット」がダブってた、すみません

おお、それっぽい! 
やや言葉づかいがかたいかな、という印象はありますが、ちょっとした専門用語なんかも混じって、いい感じです。ただ、この会話がどれくらいそれっぽいのか、まるまる信じちゃうのは不安。事実の検索には向いていないのがChatGPTです。
そこでよく知ってる会話で検証してみました。

あーなるほど。
口調は相変わらず、固いし、お互いややお行儀良すぎるような感じもするけど、やり取りの流れ自体は大筋、間違ってません。少なくともマンガ以外の映画やアニメ、ドラマでこの会話の一部が使われたのを漫画家が見ても、極端な違和感は感じないと思います。

3.作品で実際に使うには

ChatGPTが書いたシナリオを、そのまままるまる使うには冗長だし、正直おもしろくないです。でも漫画の1コマ、2コマ、もしくは主人公が物思いにふけっている背後に流したりする会話なんかに、数行程度使う分には十分参考になりそう。会話が固いのは、ちょっと語尾とか直せばいいしね。
たとえばこんな感じ。

【コクピット内】
機長「飛行高度を変更して乱気流を回避できるかどうか、ATCに確認してくれ」
副機長「了解」

【無線通信】
副機長「ATC、こちらフライトXXX。乱気流の回避のために飛行高度を変更することは可能か?」
ATC「フライトXXX、少し高い高度への変更は可能」
副機長「ATC、了解。飛行高度、変更します」

どうでしょう。
この次のシーンで、謎の宇宙怪獣の襲撃を受けてもいいし、機内の客が急にゾンビになってもいいし、大食漢な主人公が機内食のおかわりをお願いして、CAさんを困らせてもいいわけです。

もしくはこれを参考により詳細に検索するのもアリかもしれません。ChatGPTが、ひとりだとちょっとたどり着くのに時間がかかる専門用語をさくっと教えてくれるのはすごく便利。自分の場合、少なくとも"ATC"って今まで知りませんでした。Air Traffic Control:航空交通管制の略だそう。こういった単語を混ぜて検索することで、より必要な情報に素早くアクセスできます。

物語を描くって、とくに現実的な世界を描こうとすればするほど、調べ物の量が半端ないんですよねー。銃の使い方から、道交法から、腹腔鏡手術の手順から、コンビニのバックヤードから……。ほんとあれこれよく調べてます。
調べること自体はわりと好きな方なので、苦にはならないのだけど、困ったことに時間は有限。
もちろん航空業界がメインの話を書くんだったら、ChatGPTでなく、実際にちゃんと取材をすべきだけれど、漫画の1コマ、2コマ、ちょっとそれっぽい雰囲気を出すための会話の参考にするにはChatGPT十分にいけるように思います。
調べ物楽しいんだけどねー。調べているウチに楽しくなってきちゃって、1日終わってしまったなんて事故が減りますように。

と今回はこんな感じです。また何かChatGPTの便利な使い方を思いついたら、書きます。また、もし「こんなことできる?」「これやってみたんだけどうまくいかない」とかあったら、声かけてみてください。
noteのコメント欄でも、Twitterで@飛ばしてくれてもOKです。

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