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"ハノン"の記憶

東京トイボクシーズ最新話『ハノン』公開中です。
ハノンは、代表的なピアノの練習曲集です。作中では、主人公・蓮のライバルであるイヅミが弾いている場面に登場します。

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高校3年生まで10年間ピアノを習って、大学の二次試験もピアノで受けた妹尾が、その思い入れをFacebookに書いていたので、転載します。

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今回の『東京トイボクシーズ』には、子供の頃、ピアノを習っていた人なら誰もが知っているピアノの教本『ハノン』が登場。フランスの音楽家ハノン 先生(実際には「アノン」と発音)による、指の練習に特化した超スパルタなピアノの練習曲集。

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今回のエピソードに具体的なピアノ練習曲を出そうと思い、すぐさま浮かんだのがこの悪名高い(?)ハノンだった(実際、母国フランスでもネガティブキャンペーンを打たれている)。

人によっては「トラウマになった」「弾きながら寝た」「このせいでやめた」等、ネガティブが意見が多い。それもそのはず「はじめに」の文章や時折書いてあるメッセージの言葉がいちいち強い。

6番を練習する前に「1番から5番まで毎日1回以上ひきなさい」、8番を練習する前に「6番7番8番と続けて4回ひきましょう」、最後の60番まで練習を終えたら「この全巻は1時間でひけます」、「1日に1度この本を全部ひきなさい」…といった調子。まるでピアノの筋トレ版。

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確かに単調でお経のような曲ばかりだけど、音符が多い割に繰り返しが多いので、早く弾くと自分がまるでうまくなったかのような気分が味わえて、妹尾はそんなに嫌いでもなかった。それはともかく、エピソードに使うまで、自分がこんなにハノンを語りたかったことに、びっくり(そういう人、他にもいませんか?)。

そういった経緯でハノンを調べていて、ひとつ知ったことがある。
それは最後の60番が、今までの単調な筋トレのような曲ではなく、メロディが美しいドラマチックな曲だということ。ここにたどり着いた者だけに与えられるご褒美のような曲だとか。

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「いつも厳しいハノン先生が最後にやっと笑ってくれた気がした」という人までいた。これは知らなかった! 自分の教本を見ると39番で止まってる。冒険に出たものの宝物を持ち帰らず、すごすご戻ってきたのと同じ。ハノン先生の笑顔を拝むためだけに、もう一度練習してみるべきか?

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画像はすべて『全訳ハノンピアノ教本』(全音ピアノライブラリー)より

参考にした記事
『特集「アニバーサリー」祝・生誕200年ハノンを「本気で語り合ったみた。」座談会 魅力? 呪縛? あのピアノ練習曲「ハノン」はなぜ弾き続けられているのか』
https://ontomo-mag.com/article/column/hanon01-2019/



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シナリオ担当・小沢高広、作画担当・妹尾朝子からなる二人組漫画家。代表作は『東京トイボックス』シリーズ、『STEVES』など。現在、eスポーツを題材とした『東京トイボクシーズ』『ニブンノイクジ』などを連載中。公式ページ www.chabudai.com