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ハンドメイド作品のデザインについて

人それぞれかとは思いますが、私は初めに頭の中で完成形をつくります。作る…というよりパッと浮かぶという方が正しいかもしれません。そしてそれをざっとメモし、実際に形にするために材料を探し、試行錯誤していきます。図案は完成させた後に思い出しながら書きます。CAD等の綺麗な仕様書ではなく昔ながらの手書きです。そのため、自分で見返してもあれ?これどうやって作ればいいんだっけ?ということも(笑)なので必ず現物と一緒に保管し、色味も併せて確認します。

真似?

デザインといっても色々ありますよね。市販の材料を組み合わせただけだと、どうしても他の作家さんと似通った作品が生まれてしまいます。どっちが先…という話ではなく、市販品を使用している時点で避けようがない出来事です。私は自分の作品に自信を持っていますし、どうしてこの作品をつくったのかというストーリーもきちんと持っています。真似をしたことはありませんが、自分の他にも似たようなことを考えている人がいたんだと、作品を発表した後でショックを受けたこともありました。アイキャッチに載せた作品ですが、こちらは「藤の花のルームライト」です。材料の調達から花びら一枚一枚を繋げ合わせるところまでとてつもなく時間がかかり、一時はデザインを大幅に変更したりと大変な苦労を伴いました。そのため、出来上がったときの感動は代えがたいものがありましたが、発表した後で似たアイデアの作品がTwitterで回ってきたときはかなり複雑でした。

差別化

では、何で差を作るか。人により取る方法は様々だと思いますが、私は「技術」でありたいと思いました。多くの人を感嘆させる作品というのは、たしかな技術力がないとできないものです。技術が育つには多くの時間を費やさなければいけませんが、そもそも人が欲しいと思うものとは、そういう丁寧な仕事がなされたものだと思います。

先日、私の本業で印象深い出来事がありました。海外メーカーに材料を輸出している取引先があるのですが、以前その海外メーカーが材料費を少しでも安くしたいと自社工場で同じものを作ってみたんだそうです。同じ原材料を使用しているはずなのに、なぜか品質が安定せず、製品化できなかったため、結局は自社生産を諦めていました。後日、取引先にその件を話すと、できないのは当然だと。その日の気温や天気に合わせて肌感覚で微妙に配合を変えている。どこにもまねはできないと。かっこいいですよね、本物のモノづくりとはこういうことを言うんだと思いました。時間をかけて身につけたものこそが財産なのだと思いました。

私はまだまだです。今は興味の赴くまま、いろいろな分野に首を突っ込んでは創作活動を楽しんでいます。いつの日か、あなたから買いたいのよと言ってもらえる作家になれるよう、心を込めて頑張りたいと思います。

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