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明日も来年も一緒にご飯が食べられますように

 先日マクドナルドで月見バーガーを食べた。
 まだまだ日中は暑いけれど、月見バーガーが発売されると秋を感じるのは私だけではないはずだ。
 いつ頃からか覚えていないけれど、月見バーガーが発売されると毎年夫とマクドナルドへ行っている。もはや今では季節を楽しむ恒例行事だ。

 今年の月見バーガーは「七味香る牛すき月見」が新しく登場した。
 せっかくだからと夫も私も「七味香る牛すき月見」を食べてみた。
 通常の月見バーガーの中にすきやき味の甘辛い牛肉のフィリングがサンドされている。ソースは七味のおかげで味が奥深く、とてもおいしい。月見バーガーもおいしいが、私はこちらの方が圧倒的に好きだ。
 夫もこの「七味香る牛すき月見」をとても気に入ったようで、おいしそうに頬張っていた。

 月見バーガーのような季節限定のものや旬のものを食べていると、「ああまたこの季節がやってきたのだな」としみじみ感じる。特に夫と一緒にいると、「今年も一緒にこれを食べることができたな」という思いがこみ上げて、感慨深い。
 「何をおおげさな」と思われるかもしれない。けれども今日一緒にご飯を食べた相手と、明日も一緒にいられる保証はどこにもない。それは夫婦であっても、家族であってもそうだ。なぜなら人生は何が起こるかわからないから。
 
 一緒に暮らして9年になるが、私たち夫婦は喧嘩をしたことがない。夫も私も決して穏やかなタイプではないが、二人とも建設的ではないことを嫌うので喧嘩らしい喧嘩にはならないのだ。
 かといって、ずっと平和に暮らしてきたわけでもない。お互いに対する小さな不満から大きなアクシデントまでいろいろなことがあった。どちらかと言えば前向きな性格の私が「もうダメだ」と思ってしまうほどの危機もあった。
 それでも、そのたびに話し合い支え合って乗り越えてきた。ぶつかっても、面倒くさくても、結局は相手と誠実に向き合うことでしか事態を好転させられないのだ。
 「良い関係を保つために努力している」というと我慢や忍耐がイメージされる。しかし実際はそうではなくて、相手への思いやりや誠実さを積み上げて信頼関係を深めていくことだと思う。今日の良い関係は昨日までの誠実さの積み重ねの賜物なのだ。

 だからこそ、今年もまた夫と月見バーガーを食べられることが嬉しい。
 来年も夫と一緒に月見バーガーが食べられるよう、日々誠実さを忘れないようにしたい。
 

 

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