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入出金を考慮した投資パフォーマンスの計算方法

「毎月の投資パフォーマンスを記録して、他の投資家や株価指数と比較できるようにしよう」と考える人は多いと思います。
しかし、そこで問題になるのが投資元本の金額の変化です。毎月の給与収入や生活費の支払など、入出金の影響を除外しなければ、純粋な投資パフォーマンスを計算することができません。特に資金総額が小さい最初のうちは、日々の入出金が元本額に与える影響も相対的に大きくなってしまいます。

入出金の影響を除外して評価するには?

私は、株式投資を本格的に開始してからこれまでの約3年間、月次および年初来の投資パフォーマンスを毎月記録しています。そこでは、上述のような入出金の影響を除いたパフォーマンスを把握するため、「修正ディーツ法」という計算方法を用いています。

修正ディーツ法による投資成績の記録

修正ディーツ法の考え方

例えば、
4月1日:100万円
5月1日:200万円

であった場合、途中の入出金がなければ、4月のパフォーマンスは、利益 / 元本 = (200-100) / 100 = +100%ということになります。

一方で、4月中に50万円の入金があったとすると、そのぶん元本が増えるため、入金なしの場合よりも投資パフォーマンスはもっと低いことになります。どの程度低くなるのかは、実はどのタイミングで50万円を入金したかによって変わります。

仮に、4月1日に50万円を入金したのであれば、元本150万円を1か月で200万円まで増やしたことになるので、損益 / 元本 = (200-150) / 150 = +33%の月次パフォーマンスです。
対して、4月30日に50万円を入金したのであれば、元本100万円を1か月で150万円まで増やした(その後に50万円が入金されて最終的に200万円になった)ことになるので、損益 / 元本 = (150-100) / 100 = +50%の月次パフォーマンスです。

そこで、修正ディーツ法では、入出金のタイミングを一律で期間の中央(4月16日)とみなし近似値としてのパフォーマンスを計算します。
すると、前半の0.5か月間(4月15日まで)は元本100万円、後半の0.5か月(4月16日から)は元本150万円になるので、1か月間で均して元本125万円とみなします。月次パフォーマンスは、損益 / 元本 = (200-150) / 125 = +40%となります。

一般化して記述すると、次式のとおりです。

収益率 = [(期末評価額 - 期初評価額) - (入金額 - 出金額)]
÷ [(期初評価額)  + (入金額 - 出金額) / 2]

Excelファイル公開

私が投資パフォーマンスの記録に利用しているExcelファイルのフォーマットを以下に公開しますので、これから投資成績の記録を始めようという方は、ご活用ください。
毎月末に評価額・入金額・出金額を入力することで、修正ディーツ法による月次および年初来パフォーマンスが自動で計算されます。

なお、計算にあたって

  • 待機資金(キャッシュポジション)を入金額に含めるべきか

  • 配当金・貸株金利を出金額に含めるべきか

  • 税金の支出によるマイナス分を出金額に含めるべきか

は考え方次第ですが、私の場合はいずれも含めず、単純に
入金額 = 1か月間の株の購入代金
出金額 = 1か月間の株の売却代金(税引き前)
として計算しています。

投資パフォーマンスの記録を始めよう!

自らの投資が、全体相場や他の投資家と比べてどの程度上手くいっているかを知るには、継続的な投資パフォーマンスの記録が欠かせません。
また、単月のみでなく年間のパフォーマンスの目標を立てることで、長期的な視点で資産運用に取り組んでいきましょう。

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