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仕事の継続について

フリーランスにとって、仕事の依頼がくることと、その依頼が継続するかどうかが非常に重要なことだ。

先日、私よりも10歳ほど若い29歳くらいのフリーランスのライターの方と仕事の話になったとき、その人はこんなことを言っていた。

・仕事の依頼がない
・仕事を依頼されても継続で依頼されるということがない
・あの編集者に嫌われたかな
・自信がない
・自信がないから営業ができない

すごくよくわかる気もするし、私も同じことをフリーランスの初期のころは言っていたかもしれない。文字にすると結構悲観的な現象に見えるが、実際にはそれほどでもないのかもしれない。その人はライター以外の仕事もしていて、たぶん生活を成り立たせているのだと思う。

でもライターとして名乗るうえで、軌道を安定させるまでは誰もが通る悩みなのではないだろうか。

そのときは、その人に何と声を掛けたらいいのかわからなかった。気持ちはわかるけど、あまり気にすることはない。「あの編集者に嫌われたかな」と思ってもまたご縁がある。そんなことを繰り返していくのがフリーランスなのだ、みたいなことを言ったっけな。

売れっ子のライターさんはいる。常に依頼され、その依頼が継続され、紹介されて仕事が続いている。
でも、そもそも初心者のライターさんに依頼するって同じような系列の仕事ではありえないだろう。そういう場合は、ベテランのライターさんがついて、育てるみたいな話であればありえるが、一体どんな人が今、そんなことをやっているだろう。私がそういうことをできればいいが、売れっ子ではない…。

フリーランスや新しく仕事を立ち上げたばかりの人を見ていて、なんとなく思ったのは、そうした「初心者」でもニーズは必ずあるもので、彼らはちゃんとそういうところで仕事をもらって地道に続けて、結果を出して、売れっ子にもなっている、売り上げを拡大しているということだ。
おそらく、フリーランスを始めた人にとって、いきなりいわゆるフリーランスっぽい働き方は難しい。いわゆる「売れっ子」だ。依頼されて、継続されて、紹介されて、というような。

まずは、お互いに信頼できる人、信用できる人(会社)のサポートについて、必ずある仕事をもらってやっていく、というような。その仕事が面白いか面白くないか、はさて置いておいて、確実にできる仕事を確実にやる、のがよさそうだ。
この場合、やりたいかどうかはさておく。ある程度やりたければ、ある程度面白そうであれば、よっぽどやりたくない仕事でなければ、やる。自分なりに面白おかしく、楽しみながらやる。
ある意味、フリーランスとはいっても、会社員の働きや付き合いは求められる。というか、そもそも社会は会社で成り立っている、経済は会社というもので動いているのだから仕方あるまい。社会を構成するのは、個人だとしても、個人が面白くなければ、としても。

その人が言っていたのは、「やらされ仕事」はやりたくない、ということ。仕事が依頼されない、自ら営業ができないものの、クラウドソーシングなどの誰が依頼するのか、顔が見えない人と仕事をして、やりたくない仕事をやるのは嫌だな、ということ。
非常に気持ちはわかる…。でもやりたい仕事ってなんだろう?とも思う。やりたくなければ、やりたい仕事をやればいいものだが、おそらく、「やりたい仕事(こと)」なんて、多くの人が明確に持っているわけではないだろう。やりたいことがあればもう起業しているはずだ。起業している人たちは、だいたいお金がないとかの言い訳はしないで、もうスタートしてしまっているものだ。

とかまぁ、その人に対してそのとき、何も言えなかったし、もっと何かできることはないのかなと考えていたのだけど、きっと「売れっ子」のライターさんがその人のことをもう救ってくれているのかもしれない。私ができることはないのかもしれない。

でも、また別の地点で考えてみる。

仕事が続くって、やりたいとかそういうものではなく、お互いの関係性のなかでやりたいことが見えて、育てていける、そういう状態なのかなって思ったりもする。
仕事が依頼される、継続して依頼してくれる
スキル云々ということもあるけれど、お互いに学び合いの要素があったり、業務をやります・報酬をあげます、だけの関係性じゃないとき、つまり業務だけじゃないとき、いい意味で仕事だけの関係性と言えないとき、仕事ってうまく続いていくような気がしている。
もちろん、仕事はちゃんとやりつつだけど。


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