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商店街のよさを現代の感性で残す

先日、インタビューした原稿をまとめていると、あることにだんだん気づいてきた。

きっかけは、3社目に取材したECファッションの社長の言葉。
「僕は若いころ、駅前の商店街で服をよく買いに行っていた。そこでは店員さんがいろいろ教えてくれた。そういうことをネット上でもやりたいんです。UNIQLOではそういうことはなかなかできないから」

そのメディアで1社目にインタビューした会社が元々商店街のお店で創業したところだった。そのお店はやがて創業地の商店街を離れ、集客性の高い郊外に出店していく。

だが、その3社目の社長の言葉を聞いてから、ふとそのお店のことを思い返してみると、郊外に出店したはずのお店は、その様相はどこか商店街のような感じもある。

会話はしなくとも、客に語りかけるようなポップ。子どもに向けたイベントなどなど。
商品を通じて、ワクワクするような仕掛けがあり、そのお店に行けば、店員さんと直接話していなくても、お店が発するメッセージを受け取る。

郊外に出店したお店を運営している会社さんも、ECの企業さんも集客が高いから、そこにいって商売するものの、やっぱり商店街で受け取った良さをちゃんと感じ、仕事に反映させている。

商店街の良さって関係性だと思う。

郊外のお店に行くほど、買うという目的を達成してしまったら、もう客側にもお店側にもともに用はないようなさみしさがどこかある。
ユニクロがコーディネイトを教えてくれない(実際には聞けば教えてくれるが)のも、そういうところだ。
パッと買えるけど、なんかさみしい。毎回そこまで思わなかったけど、はたとあぁ昔は商店街でお店とやり取りしていたこともあったな、なんて今回の取材を機に思ったりする。

やっぱり本当に私たちが求めていることって、目的的な関係性だけではみえてこないのではないかと思う。ふっと出てくる言葉だったり、表情だったり。目的を達成するだけでない関係があって、本当は商売って仕事って、できるといいんだろうなと思う。


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