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ひきこもり

木の葉ざわめく青山通りをゆっくり歩いた。
向こうからマリンブルーのジャケットをたなびかせたフィーゴ似の外国人がさっそうと闊歩する。その横ではワインレッドのパンツスーツに身を固め、長い髪を抑えながら日本人キャリジョが表情を崩さず大股で歩く。
二人は私の目の前を横切り、イタリアンレストランに消えていった。
私は昔の勤務先が蘇る。
普段、リモワにデイトレの私は、自分の腹に目をやる。
帰り際にココカラファインに立ち寄り、フックにぶら下がる『大人のカロリミット』の商品札を手に取った。

#エッセイ


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