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私を理系に染めた言葉

私は覚えるのが苦手だ。

小中高、大学を通じて、学校の科目すべてにおいて、「覚える」ということがずっと苦手でした。
国語:漢字の書き順、古文単語
算数:定理、公式
理科:名称、公式
社会:年号と出来事、人物名
英語:英単語

 覚えるために、何度も何度も書いて、覚えるまで書いて、頭に叩き込んでいました。社会関係の定期テスト前なんて、教科書を範囲の部分を3回ほど書き写して、教科書ごと覚えようとしていました。脳に物理的にたたき込むイメージで、覚える系の教科は勉強していました。

新しいことを学ぶと覚えることが増える。
そんな「勉強」が一時期、大嫌いでした。

 じゃあ、小さいころから理系脳だったのか?というと、決してそうではなく、中学受験のために通っていた塾では理科は特に嫌いでした。その中でも、てこの原理が本当に苦手で、「太さが違う棒におもりを乗せてバランスを取るためには?」という問題が最大級のトラウマです。その問題で理解不能になってから理科、特に物理に対して苦手意識が根付いてしまいました。

 唯一、計算が得意で、暗算はそこまで早くはないものの、計算自体は苦ではなく、小中高で学ぶ、算数・数学特有の、決まった公式、正しい計算をすれば必ず正解を導くことが出来る、というところに魅力を感じていっていました。定期テストの範囲にある公式をすべて力技で覚えさえすれば、算数・数学のテストなんて100点満点が取れる、と考え、実際に満点も取っていました。ただ、ツメの甘さがでて計算間違いがあったり、公式を覚えきれていなかったりと、何度も満点のチャンスを逃していましたけれども。(笑)



 こんな状態が大学受験の前まで続いていました。
※高校の文理選択については、数学の点数が高い、ということで理系を選んでいました。

 高校2年生の冬から大学受験に向けて塾に通いはじめ、そこで受けた物理の授業で、運動エネルギーの範囲について勉強している時に、私の理系脳が加速しました。

その言葉とは、、、

物理の公式は数学を使えば作れるよ。


 この言葉で、私の中で「公式」としか存在していなかったものが、「自分で作れるもの」に変わりました。今まで、ただただ覚えていたものが、自分で作れる、操れる、というイメージになりました。

 主に使う数学の知識は微分と積分です。運動方程式さえ作れれば、運動エネルギーの公式を積分で出すことが出来ます。これだけでは「ふーん。」と言うレベルですが、この暗記数が減るということと併せて、もう一つ、大事なポイントがありました。

 それは、微分と積分によって、「単位」に意識するようになった、ということです。これは、大学でも社会人でも物理学関係を勉強する上で、ずっと大事だったな、と思っています。物理学の計算の中で、「イコール」の左右で単位にさえ気をつけて等式を組めば、大体計算式が正しく出来上がることが多いです。さらに、計算間違いがないか、という時に、計算結果としての単位がちゃんと正しいか?というところにも使えて、ミスがどんどん減っていきました。

★数式は自分で作れる
★単位を意識する

 これで、私の理系脳は加速していきました。数式を自分で作ることで、単位も意識し、自然と公式の持つ意味を考え、理解を深めることができました。そして、計算最後に単位に着目することで、計算ミス防止、自分が算出しようとしている結果が正しいのかの確認もできるようになりました。

 もちろん、暗記が得意なのであれば、公式として覚えて、そこからさらにアレンジさせていけば、計算の量を減らし、計算スピードを上げることにもつながると思います。
 残念ながら、私はことごとく暗記が苦手だったので、最低限の公式だけを覚え、そこから無理矢理、計算につなげていくことを選びました。

 私は、自分の苦手に対する解決策を高校2年で出会えました。おそらく、かなりラッキーな方だと思います。みなさんも、まずは、苦手を認め、諦めるのではなく、こういう出会いにも期待をして泥臭くとも、勉強を続けていってくれたら嬉しいです。

 もちろん、学歴だけが全てではないですが、勉強に一生懸命になる中で、自己分析のやり方を学び、どうすれば克服•改善出来るかを考えるクセがつきます。今後、好きなことをするためにもこのクセは大事になります。スポーツでも、エンターテイメントでも、研究でもね。

 さらに、学があれば、新しいことに対しても自分で理解するスピードも上がり、アルバイトや社会人でも役に立ちますよ♪
 ただ、勉強ばかりするのは良くないですねえ。想像力が乏しくなるかもしれません。何事もバランスが大事!いろんなことに挑戦しましょう。

気が向けばこんなアラサーへエールを送ってください。