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ジャパンカップとタケダワイナリー・ルージュ

 11月も最終週になりまして、今年の東京競馬場の開催を締めくくるジャパンカップです。その前に先週の結果から。

 先週はロジクライ、ステルヴィオ、アエロリットの三頭で馬連とワイドと三連複を買ったのですが、予算が余ったので単勝も100円ずつ買ったらステルヴィオが来ました。配当はそこそこついて870円。やったぜ。サンキューイケメン。

 今週はジャパンカップなので日本ワインを飲みたかったので、1870円の予算はぴったり。前から紹介したかったこのワインを選びました。

 タケダワイナリー ルージュ 2017

 山形県上山(かみのやま)市のワイナリーで、大正期に武田重四郎が立ち上げた名門です。ワインの勉強をした人はマスカットベリーAの生みの親である新潟の川上善兵衛を知っているんじゃないかと思いますが、武田重四郎もまた同時期に日本でブドウ栽培を始めワインを作り始めた偉人の一人で、競馬で言ったら3大始祖みたいな方です。川上善兵衛=ゴドルフィンアラビアン、武田重四郎=バイアリーターク、林五一=ダーレーアラビアン。これらのワインは拝んで飲みましょう。

 さて、そのタケダワイナリーは長らく「蔵王スターワイン」という銘柄を主力商品として販売していたんですが、今年制定された日本ワインの法律の影響で終売せざるを得なくなりました。
 なぜか。新しい日本ワインの法律では原料ブドウの栽培地をはっきりさせることが目的なので、商品名に「蔵王」と書かれている場合、蔵王以外の原料ブドウが入っていたらダメなのです。「蔵王スターワイン」は確かに蔵王山の麓で栽培されたブドウで作られているのですが、ワイナリーの所在地は隣の上山市で「蔵王町」ではないのです。もちろん原料ブドウも上山市のものも使われています。こうなると、蔵王山を臨む上山市で作られるワインであっても、蔵王の名前は名乗れないことになるわけです。

 この件について、先日とある講演でタケダワイナリーの岸平典子社長から聞いた話があります。
 長く親しまれてきた「蔵王スター」の名前を失うことになったタケダワイナリーへ、あるテレビ局の取材が来ました。新しい法律で大事な商品名を奪われてしまった。これは国の横暴ではないか。タケダワイナリーは被害者だ、とかそういう趣旨のドキュメンタリーを作りたいということだったそうなんですね。
 しかし岸平社長の考えは、そのテレビ局のスタッフとはまるで違いました。曰く
「確かに蔵王スターの名前は大事だったけれども、いま新しく制定されようとしている日本ワイン法は蔵王スターの名前よりももっと大切なものなのだ。日本のワインが本当のワインとして認められるものになる為に、ブドウの原産地を明確にするワイン法は無くてはならないものであって、この法律を作ることが日本でワインを作っている私たちの悲願なのだ」

 そういう経緯で蔵王スターに代わって生まれたのがこの「タケダワイナリー」なのです。

 今年制定された日本ワイン法の内容はワイナリーの人たちの声もかなり反映されているそうで、もちろん岸平社長も深く関わっています。日本のワインの始祖である武田重四郎の直系である岸平社長が日本ワインの原産地規定を定める法律に関わった、というのは中々のドラマじゃないですか?

 そして競走馬がサラブレッド(Thoroughbred=完璧な品種。フランス語だとpur-sang=純血)であるように、日本ワインも新日本ワイン法によってサラブレッドになります。僕が競馬とワインに共通点を感じるのはこういうところなのかもしれません。

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 長くなったのでテイスティングコメントは簡潔に。生き生きとした酸味とベリー系のさっぱりした果実味があるとても良いワイン。ナチュラルな印象だが、抜栓から5日くらい経っても全然へたらない。とても美味しいです。おすすめ。

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 さて、今週の競馬、ジャパンカップの予想ですが、ここはタケダワイナリーの岸平典子社長にあやかってこの牝馬で

 ◎ 1アーモンドアイ

 まぁあやからなくてもアーモンドアイにするんだけどさ。決め手はたくさんありますが、やはり実力+斤量。ただし競馬に絶対はないのでもう一頭。

 ○ 12 カプリ

  今年の凱旋門賞しか見てないんですが、ロンシャンの2500mを先行しながら最後まで走り切っていて5着。日本の高速馬場との相性は、とは言うものの先行馬なので最後までいい位置で競馬できるなら全然いけると思うんですよね。スローなら早めに抜けて前で残れる、ハイペースなら願ったり。というわけで12番カプリを推していきたいと思います。

 馬券は別々の単勝かなぁ。両方同時に来るとはあんまり思っていないのだが……。そんなわけでまた来週!

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