男系論はもう成り立たない〜皇位継承問題
未だに皇位継承問題への世間の関心は極めて低い。
しかしこれは国家そのものの問題と言っても過言ではない。
そしてそれは今国会等では圧倒的少数派であるはずの男系論が持て囃されている。
それは「それが伝統だから」と言う「漠然とした話」がそれなりに考えてもいない人にも説得力を持たせるからだろう。
皇室の意義等については既に何度も述べてきたのでマガジンのリンクだけ貼って詳述は避けるが、
今回はゴー宣で祭をやると言うことで便乗してみた。
これが祭りになっているのは、8月7日放送の『そこまで言って委員会NP』の番組内容が余りにも酷かったからだ。
実際、記事を読む限り酷い。
長子優先に変えるのに抵抗感があるのは男系派だけだ。それを「日本国民」と言ってしまうセンスの無さには呆れざるを得ない。
そして男系派の言う「将来の危機」と言うのはずっと、少なくとも小泉政権にて有識者会議が発足して以降は「今現に危機が続いている」と言う当然の認識に至らねばならない。
それは皇位継承者が最早いないからである。
今皇位継承権を持つ者は、秋篠宮殿下、悠仁殿下、常陸宮殿下(上皇陛下の弟君)の3人しかいない。実際には悠仁殿下お一人しかおられない。
と言うことは悠仁殿下が結婚できなかったり、あるいは結婚しても男子が産まれなければそれで実質的に「お仕舞い」なのであり、もう既にかなり危険な状況にあると明言せざるを得ないのだ。
特に小室バッシング以降、まだ皇族にすらなっていない、しかも皇位継承権すら持つ可能性のない小室さんですら、ああやってあることないことでっち上げて批判されてきたのだ。皇后陛下にしても散々皇太子妃時代はバッシングされ、適応障害となられた。
そんな事実を目の前にしてこの危機を救うと名乗り出る女性が果たして現れ得るのか?また、現れたとて男子を必ず産むのか?更にはそう言うルールが果たして伝統として本当に求められるのか?日本国及び日本国民統合の象徴たり得るのか?
男系派はそのような視点を意図的に持たないようにしてきた。
だからカルトと断ぜざるを得ない。
竹田の馬鹿は流石に馬鹿を連発する。
天武系と言われる女帝が最も多かった時代、明らかに女系による継承が行われてきた。
男系派はそれを全て天武の、と書き換えているがどう考えてもそこに働いているのは天武の意志ではなく、持統(妻)の意志だ。そして女帝である推古、皇極、持統天皇等は、男性天皇を含めたとしても突出した実力者だったと言わざるを得ない。それこそ繋ぎの天皇なんてのは多くが男性天皇の役割だった。血統においても実績においても申し分ない。それが女性天皇であり、女系天皇だ。
そしてそもそも論、何故女系天皇が必要との論になるのか、その確信に笠井信輔氏(フリーアナウンサー)は触れる。
もう、答えは全てここに帰結する。男系論が物理的に可能だったのは側室があったからであり、側室が現実的に不可能なら男系限定と言うのは無理な話なのだ。
竹田は馬鹿な反論を性懲りもなく捻り出す。
これは全くの論点逸らしでしかない。
何故なら今現に男系男子が不足しているのは、早世(早くに亡くなる)する男子が多かったからではなく、そもそも男子がほぼ全く産まれなかったからだろう。
そうなる可能性は今後も高い。側室がないなら尚の事高くなる。
大体今ある宮家だって跡継ぎの男子は一人もいない。
旧宮家系の国民男子の家庭(候補者となる若い男子は全員産まれながらの国民であり、一秒たりとも皇族ではなかった)だって僅かにいるが、そもそも国民であり、皇族になる明確な本人の意志と、それを受け入れる法制度がなければそもそも無理だが、男系派はそのどちらも表には出せない。それどころか男系派の希望の星だった安倍晋三は、内閣総理大臣でありながら、旧宮家系の男子に皇籍を取得させることをしないと国会で明言した。
また国民のコンセンサスを得るのが難しいだろうと言う認識も安倍晋三にはあるようでそのように答弁している。
結局旧宮家系の男子に皇籍を取得させる案は無理なのだ。
門田隆将氏(作家・ジャーナリスト)がまた馬鹿なことを言う。
我々は女系も含めた双系により神武天皇や皇祖皇宗まで遡れる案を述べているのであり、別系統を作る案等一度たりとも主張したことがない。まさに男系カルトの意図的なミスリードだ。
それに悠仁殿下を廃嫡だなんて誰も唱えていない。皇位継承順位が変わると言っているだけだ。畏れ多いが愛子内親王が天皇に即位され、子が産まれる前に崩御されたり、或いはその子が即位を拒否するような場合、皇位継承順位に従って悠仁殿下が即位なさる可能性は理論上残っている。話を歪曲するのはやめていただきたい。
古舘伊知郎氏(フリーアナウンサー)は
と回答されているが、これにはやはり理論的には批判をしなければならない。あくまで女系、女性天皇、そして直系長子優先と言うシステムが必要なのであり、愛子様(その他特定の)個人云々を全面に出すのは情緒的に過ぎるように思う。勿論今の状況なら理論上そう(愛子天皇)なるのだが、そう言うロジックは大切にして欲しいように思う。
次の山口真由氏(信州大学特任教授)はまたとんでもない主張をブッこむ。
これはもうただ男系派の主張をコピーしただけ。しかし女として発言に何も違和感もないのかね?穢れとして月経を拒否する"思想"は穢らわしく思わんのかね?そして合理性って、男系男子しか継承ができなくて側室もないルールに対しては求めんのかね?
この人頭いい人だと思ってたけど、自分が何について語っているのか、どんな立場で語っているのか、そもそも何を言っているのか、全く理解してないよね。
それからつげのり子氏(皇室ライター)もまたブッこむ。
そもそも、その直接の子すら皇位継承権を持たないのに天皇になれる、って一体何なの??
それから慎重に議論とか言ってるが、「自分の意見を否定されたくないから、自分の意見を否定するなら慎重にしろ!」と言ってるだけだろ。そもそもお前の破綻した論理こそ慎重さを持たない軽率な意見だろが。
そしたら竹田がまたトンチンカンな意見をブチ込む。
最早俺が何かを言うまでもなく馬鹿馬鹿しいと唾棄するクソ発言でしかない。
そんな中やはり秋篠宮殿下と親しい江森氏は違う。
これはもう秋篠宮殿下、そして今上陛下、上皇陛下の3名の、長年続けられてきた三者会議の主張そのものだろう。
宮家邦彦氏(立命館大学 客員教授)が、その立場と名前の重みを微塵も理解せず軽々と不遜なことを述べて終わる。
この国民とは誰のことだろうか。時の多数派のことだろうか。
これまでの先人達は勿論、未来の子孫達のことも念頭にあるのだろうか。
俺は、そして恐らく全ての双系派はその視点から述べている。
皇室が千代に八千代に続くべきであると考えていること
男系限定では結局今が凌げても近い将来に同じ危機を招くこと
立憲君主制こそ国家を最も安定的に運営する優れたシステムであること
女系容認(双系継承)はその名の通りどちらの系統も皇統とする為安定性は格段に上がること
皇室の意向を忖度していること
これ等を踏まえれば必然的に男系固執は不可能と諦めることしかできなくなる。
そう言う視点もなく、ただ今の「国民が主権者だ!」みたいな幼稚な論を公にされても、周回遅れが過ぎる。
基本的に議論する資格がさっぱり無い奴等が集まってやった公衆の電波を悪用した下世話な井戸端会議番組だった訳だが、少しくらい双方の主張を踏まえてから議論ができないのかね?
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