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流れをデザインする

僕ら、UMA/design farmは大阪を拠点に活動をしている。北浜と天満橋の間で、大川がゆっくりと流れるところにスタジオを構えている。窓からは中之島の先っちょが見えて、天神祭の日は賑やかな川を見ることができる(でも花火はみえません)。多くのプロジェクトを協働している編集スタジオMUESUMとシェアをしていて、みんなが集まる日はワイワイと賑やかだ。壁にはサインの実寸を貼って検証していたり、本の全ページが貼られて編集会議をしたり、誕生日ケーキを食べたり。コロナ禍は寂しい感じだったけど、少しづつ楽しい時間が戻ってきている。ちなみに1回目の投稿の写真はスタジオの一部だけど、遊びにきてくれた大好きなFrancois Halardさんが僕のカメラで撮ってくれたもの。自慢 ↓

Francois Halardさん撮影による僕らのスタジオ、にしのくんがつくってくれたキッチン

大阪を拠点に! と書いてみると、大阪でのプロジェクトが中心のように感じるかもしれないが、実際は、あまりない。進行中のものだと、北海道や山形、福井、石川、兵庫、島根、広島、山口、徳島、高松、愛媛、高知、福岡、佐賀、長崎、大分などなど津々浦々。と言いながらも大阪や関西圏、関東圏も最近はちょこちょこと声をかけてもらっている。
例えば僕の一週間はこんな感じ ↓

・6/17 大阪。スタジオでオンラインミーティングをいくつか。頭と手を動かす日に。メンバーとも進捗共有。夜はどく社メンバーと食事。
・6/18 小田原へ。山ちゃんと新しいプロジェクトの打ち合わせに。過去に手がけたプロジェクトを評価いただき、ご指名とのこと。嬉しい限り。土砂降りの雨で新幹線が遅れるが、なんとか夕方に大阪に戻る。
・6/19 郡上八幡へ。車を運転して早朝から移動。にしのくんとハジーと工場見学&フィールドワーク。川が綺麗で、水が豊か。鮎釣りしたかったなぁ。鰻がめちゃくちゃ美味しかった。
・6/20 佐川町へ。図書館のプロジェクトでつだちゃんと現場へ。ロゴが無事に決まり、サインデザインの進捗を共有する会。現場も進んでいて期待できる空間。人生で一番分厚い鰹のタタキを食べる。
・6/21 東京。朝、高知でモーニングを食べてから移動し、六本木へ。とうもろこしを持っているのは、僕だけかもしれない。デザインの審査会を終えてホテルにチェックイン←いまここ。

こんな感じで、色々な現場でお世話になっていて、現場ごとにメンバーがジョインしたり、一緒に車で向かったりと飛び回っている。なんでこんなに飛び回っているんだろうかぁ…自分でもよくわからないけど、土地に直接ひもづくようなプロジェクトが好きだし、その地で一緒に活動をする人たちと歩いたりワイワイと議論をするのも好きだなと思う。そして、色々な土地で見たもの、経験したことを共有して、そのプロジェクトの邁進力の一部になれたら嬉しいなといつも考えている。プロジェクトにフォーカスしたことは、今後も書いていきたいと考えているけど、共通していることは「歩くこと」なのかもしれない。物理的に歩いているというよりも、人や自然やそのプロジェクトの状況とも対話をし、一緒に発見していくようなプロセスそのものが「歩くこと=前に進んでみること」となり、これこそが自分たちが大切にしていることなんだろうと思う。ちなみに年間平均歩数は1万歩を超えているので物理的にもかなり歩いている。人類学者の中村寛さんからは、デザイナーで一番歩いているんじゃないかと言われて、確かにそうなのかもしれない! と思ったこともある。ということはやっぱり物理的にも歩きまわっているようだ。

サゴタニ牧農のMOUICHIGOが完成して、初いちごをゲットするかな江さんの手。誇らしげだ
ヴェネチアに滞在していたタイミングでバレと土井くんとシーバスを釣りに。釣りは自然との対話

そして、もちろん、「歩くこと=前に進んでみること」で、モノをデザインしていくのだけど、モノだけをデザインしているのではなく「流れをデザインする」ことを頭の中ではいつも考えている。以下の写真、キャッチボールしているだけの風景。僕らはこの風景そのものに、どのように関わらせてもらえるのかに強い興味がある、のかもしれない。

キャッチボールしているdot architectsの家成さんと土井くん

説明すると以下のようなことかなと。「ボール」そのものをデザインしているけども、「ボール」はキャッチボールをするという「行為=コト」の媒介として存在してて欲しいし、人を繋ぎとめる装置にもなって欲しい。また、この環境が生まれることで、それをぼーっと見て楽しむ人がいたり、やってみたいと挑戦したくなる人がいる。そんな空気感をつくっていきたいんだなぁと。わかりやすそうで、めっちゃわかりにくい感じで、すいません。すべてがわかりやすい必要がないはずと言い聞かせながら、世界は複雑でわからないから面白いんだろうと。大切なことは、心のどこかで、このようなことを考えて積み重ねていくと、誰かの風景、情景、景色が生まれて、目立たないけど、確実に一歩づつ前に進んでいくんだろうと妄想することだ。
(dot architectsの家成さん、土井くん、出演ありがとう。いつもこの写真で「流れをデザインする」を伝えようと試みています)

風景の読み解き「流れをデザインする」

流れをデザインする。やっぱり簡単そうで難しい。できないかもしれないけど、チャレンジを続けてみたい。そんなことをいつも誰かと歩きながら考えている。

今日は高知空港から羽田空港へ。高知の朝はあんなに晴れていたのに、東京は大雨。雨、連れてきちゃったかな。と思ったら晴れてきた。
こんな短いペースで書いて、続けられるのかい? と自分に言ってみる金曜日の夕方。

佐川町のフィールドワーク。色を探すつだちゃん
佐川町の大道さんと設計チームの長柄くんと森下さん

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