ひとり出版社創業日記⑥「生き物を描く〜パラアーティスト・木下晃希」
こんにちは、UMA(ゆま)です。「来年、ひとり出版社を立ち上げることが目標です」と昨年、2023年の春にnoteで宣言してからの2024年。自分に言い聞かせるように周囲に伝えてきたのがよかったのか、年明けからわりにせっせと動いて、3月に無事に合同会社 Studio K を設立しました。その経緯の記録、第6回です。
といっても、今回はやや番外編といいますか、Studio Kの第一作目として画集を作る予定の甥っ子アーティスト、木下晃希を紹介するドキュメンタリー番組がMBS毎日放送で制作され、現在どこでも、TVerで見られるようになっているのでお知らせさせてください。
無料で複雑な入会手続きなどもないので(うれしい〜)お気軽にどうぞ。
*********
MBS毎日放送 映像´24『いきものを描く〜パラアーティスト・木下晃希』
*********
以下、番組紹介文です。
番組の制作にあたっては、1年間、家族に寄り添って、とても丁寧に取材していただきました。どんな小さなイベントでも、朝早くても、夜遅くても、来てくださいました。取材回数は20回以上、映像は50時間以上になったとか。私自身も写真家、ライターとして遠くはない仕事をしているだけに、それがどういうことか、よくわかります。愛とか情熱とか、つまるところそういう強い思いがないとできないこと。ディレクターの亘さん、クルーのおふたりにはほんとうに頭が下がります。
そのディレクターの亘さんがお書きになった記事が放送前に毎日新聞に掲載されました。
TVerでの配信、私も遅ればせながら拝見しました。焦点が当てられているのはパラアーティストの晃希ですが、根底に描かれているのは、ごくありふれた家族の物語です。じつは優しいもののやや愛想に欠ける父親、素直で人づきあいがじょうずな母親、まじめでスポーツが好きな兄、自由で絵を描くのが得意な弟。兵庫県西宮市という、何もかもが適当にいい感じの街。泣いたり笑ったり、時には死にたいくらい辛かったり、でも周囲の人たちにふわっと救われたりーー。
文脈はまったく違うものの、最近の映画「Perfect Days」をふと思い出しました。物事を斜めから見る癖がある私はついつい「Perfect」の意味を詮索したりしていましたが、素直に受け止めるなら、このドキュメンタリーから浮かび上がるのも、社会というパッチワークの尊い一片をなす「Perfect Days」のような気がします。
すごいでしょ、とか、大変でしょ、とかいう見せ方はまったくなく、普通に見えても個々は特別で、その中であたりまえの営みはじつは難しく、それだけに尊いということが心に残りました。広い水平を見わたして、やわらかい光を向けてくださったこと、とてもありがたく思っています。
見終わってから、こころの中に小さな灯りがともるような作品です。5月14日までご覧いただけます。GW中のお時間があいた時にぜひ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?