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ユネコン 2021.8.18 ROADSHOW

■スクリーン1:モンスターパニックムービーのすゝめ

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2017年公開 イギリス映画 
「ザ・リチュアル いけにえの儀式」
https://eiga.com/movie/88919/

長年の友である4人の男達が、ある事件で亡くなった友人の追悼の意味を込めて、スウェーデンへハイキングの旅に出かける。
事件での悲劇を胸に歩みを進める彼らを、想像を絶する恐怖が待ちうける...。

異様な雰囲気を放つ森の中で、次々と不可解な現象が起こり、登場人物たちを精神的に追い詰めていく。
その恐怖は画面越しにもしっかり伝わり、当分ハイキングは出来なくなるのではないだろうか。
また、パニック映画やホラー映画には珍しく、各登場人物の心理状態や心の闇がしっかり描写されており、この手の映画では、ないがしろにされがちな部分が作り込まれているのも魅力の一つだ。

加えて、この映画は北欧神話をベースとしており、登場するモンスターは北欧神話に登場する「ヨトゥン(霜の巨人)」で、筋骨隆々で巨大な鹿のような姿をしている。燃え盛る建物を背景に佇むその姿は、恐ろしいの一言に尽きる。

不気味な森や超常的な出来事など、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」シリーズとの共通点が多くみられるため、この作品に大きく影響されているように感じる。「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」シリーズが好きな方は間違いなく楽しめる作品になっている。

■スクリーン2:未知との遭遇系映画 探索

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2017年公開 アメリカ/イギリス合作映画
「ライフ」
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
https://eiga.com/movie/86477/

国際宇宙ステーションに搭乗するクルー6名は、無人火星探査機の回収に成功し、中には生きた微生物が含まれていることが判明する。
地球外生命体発見のニュースは地球上でも報道され、微生物は「カルビン」と名付けられる。
しかし、実験過程で微生物が急速に成長し、クルーに牙を剥き始める...。

本作に出てくる地球外生命体のカルビンは、始めは人懐こくクリオネのように可愛らしい生物だが、最終的にはグロテスクなモンスターに成長していく。
そして、クルー6名は国際宇宙ステーションという密室の中で、カルビンを地球に到達させないよう攻防を繰り広げる。
SF映画が好きな方に限らず、パニック映画が好きな方にも是非お勧めしたい。

また、SFホラー映画で代表的なものは「エイリアン」シリーズや「遊星からの物体X」シリーズがあるが、本作は「ゼロ・グラビティ」のように宇宙空間の特徴をうまく取り入れ、差別化されているように感じられる。

主演は「遠い空の向こうに」「デイ・アフター・トゥモロー」などで主役を演じた「ジェイク・ギレンホール」で、これは主観になるが、彼が演じた映画には必ず心に残るワンシーンがある。
本作では特にラストシーンの一言に尽きるので、彼の迫真の演技に注目してほしい。

■スクリーン3:Limited Rule Films 特集

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2013年公開 スペイン映画 「ラスト・デイズ」
配給:エスパース・サロウ
https://eiga.com/movie/78992/

【外に出たらアウト】

世界規模で極度の広場恐怖症のような病気が突如流行し、屋外に出ることが命に係わるようになってしまう。
職場のオフィスに閉じ込められてしまった主人公は、出産間近の妻を捜しに行くため、様々な試練を乗り越えていく…

スペイン発の終末系映画で、未曽有の危機下で発生する日常の崩壊が描かれている。妻を捜しに行くため、かつて自分をクビにしようとした因縁の相手と協力して、歩みを進めていく。
二人は徐々に信頼関係を構築していくのだが、ここがこの映画の特徴だと感じる部分で、かつての友人が敵対する映画は多く存在するが、逆のケースはかなり少ないと思う。また、その過程も無理なく作り込まれている。

類似する映画として「ハプニング」「フェーズ6」などがあるが、どの映画でもやはり理性を失った人間が、最も恐ろしいと感じる。
そして、その中で繰り広げられるヒューマンドラマが、最も面白い部分だ。
病気の脅威や原因に着目しがちだが、壊れた世界の中でどのように信頼関係を構築していくかが魅力的なので、今作に限らず終末系映画を観る際は是非その部分に着目してほしい。





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