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ユネコン 2022.4.27 ROADSHOW

■スクリーン1:モンスターパニックムービーのすゝめ

2007年公開 イギリス・アメリカ合作映画
「今日も僕は殺される」 配給:ショウゲート
https://eiga.com/movie/53842/

アイスホッケーのスター選手であるイアン・ストーンは、何不自由のない生活を送っていたが、ある日の夜に何者かに襲われ、列車に轢かれて死んでしまう。しかし、目を覚ますとそこは見知らぬオフィスで、会社員の姿になっている。死んだ記憶は生々しく残っているが、果たしてあれはただの夢だったのだろうか…

映画のポスターからは、「ソウ」シリーズのような「ソリッドシチュエーション系スリラー」を想像するだろうが、実際は「ハリー・ポッター」シリーズの「ディメンター」のような、モンスター「ハーベスト」に繰り返し襲われる映画で、筆者個人としては、良い意味で期待を裏切られた映画の一つだ。

「ハリー・ポッター」シリーズの「ディメンター」は人の幸福を餌にしていたが、本作のモンスター「ハーベスト」は人の恐怖を餌にする。そのため、繰り返す度に恐ろしい死に方をするようになるので、主人公にとっては負の無限ループだ。

ループものの映画には「バタフライ・エフェクト」「ビフォア・アイ・フォール」などがあるが、本作はそれらに比べ、ストーリー面で物足りなさを感じる部分がある。
主人公とヒロインの関係に関しても同様で、少しチープな感じは否めないだろう。しかし、そのチープさが逆に良いと感じさせてくれる作品で、個人的に大好きな作品の一つだ。

■スクリーン2:ディザスター系映画 探索

2012年公開 アメリカ映画
「アフターショック」 配給:松竹
https://eiga.com/movie/78812/

南米チリに旅行に来た主人公は、地元ガイドと共に旅行を満喫していた。
夢のような時間を過ごす一行だが、突如巨大地震が起こってしまう。
阿鼻叫喚の中、何とか脱出することが出来たが、目に映る光景はこの世のものとは思えない恐ろしい光景だった…

日本と並ぶ地震大国であるチリを舞台に、大地震とそれによる二次災害をかなり過激に表現した映画だ。特に本作は災害の怖さよりも、極限状態での人間の怖さにフォーカスを当てており、他のディザスター系映画には無い要素を持っている。

「ホステル」シリーズや「グリーン・インフェルノ」 の監督、イーライ・ロスが製作に関わっていることもあり、起こり得る災害や暴動などをオブラートに包むことなく表現している。目を背けたくなるシーンがいくつもあり、観終わった後は、ジェットコースターを降りた後のような感覚になること間違い無しだ。

主演はまさかのイーライ・ロス本人で、俳優として無名であることから、個性の無い1人の一般市民という視点で観ることができる。
他にも著名な俳優が出演していないことで、映画のリアリティを出すことに成功し、映画のクオリティをアップさせている。かなりマイナーな映画ではあるが、イーライ・ロスの他作品に興味がある方は、是非視聴してほしい。

■スクリーン3:Classic Monster Films 特集

2020年公開 アメリカ映画
「透明人間」 配給:東宝東和
https://eiga.com/movie/92766/

天才科学者に束縛される生活を送る主人公は、ある日自宅から脱走する。
後日、その科学者が自殺したことを知るも、主人公は彼の死を疑っていた。
やがて彼女の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、命まで脅かされるようになってしまう。見えない何かに襲われていることを証明しようとする主人公だが、事態は徐々に悪い方向に向かっていく…

「H・G・ウェルズ」が、1897年に発表した小説「透明人間」を原作とした映画で、1933年に公開された映画「透明人間」を、現代風にリブートした作品だ。
本作の「透明人間」は「メタルギア」シリーズなどのステルス系ゲームにおいて、隠しコンテンツとしてありがちな光学迷彩のスーツを着て透明になる。原理としては「007 ダイ・アナザー・デイ」「ボンドカー」と同じ仕組みのようだが、本作は特有の空間の歪みも無く、本当に透明になってしまう。

類似する映画で「ケヴィン・ベーコン」主演の「インビジブル」があり、
この作品は透明化の実験を行った科学者が、徐々におかしくなっていく姿が描写されていた。
だが、本作の透明人間は根っからのサイコパスであり、それが透明になり付け狙われるのである。そんな恐ろしいことがあるだろうか。

本作では何も無い空間を各所にあえて散りばめ、どこかに透明人間が隠れているのでは?と想像させることで、透明人間への恐怖心を増加させている。


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