陸亀

生き物と、競馬と、食べ物と、人文学を薄く浅く食い漁る亀

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    三度の飯よりも馬好きな方に向けて、競馬含む馬の話を連ねていけたら、と思います。

最近の記事

勝て、ダノンベルーガ 〜ドバイWCを控えて〜

ダノンベルーガ 共同通信杯で初めて君と対面した時、 パドックでなんて綺麗な馬なんだと感激したことを今でも覚えてる。 鹿毛の光る馬体、ほどよく引き締まったトモ、 内から漲る活力を讃えた瑞々しい瞳。 それらに違わず、稍重の東京競馬場を難なく駆け抜けた、底知れぬ実力に、 鋭く流れるようなストライドの広い末脚に、 来たる華々しい未来を思って心躍ったことを覚えてる。 「勝ってくれ」 思わず溢したその言葉を恥じらい、引っ込めそうになるほどに、 君は綺麗だった 強かった。 ああ、これ

    • 苦難も、直線も突き抜けろ。カルストンライトオ【前編】

       燦然と輝く太陽に、青い空。大きく白い入道雲。油蝉の雑味のある合唱が、その様相に夏の趣を一層深めていく。  夏の到来を感じさせる景色の中に、或いは、入道雲に縁どられた蒼穹のカンバスに、一筋の飛行機雲が伸びていく。  背後に白煙を刻みながら、時折入道雲に隠れては、またすぐにまた顔を現わして――、強烈な陽光にも、熱気を纏う薫風にも負けず、尚も一直線に突き抜けていく姿に対して、地上の人々は実直さを、或いは愚直さをも感じるだろうか。 ……2022年7月、夏競馬が始まった。  暑き中

      • 夢よ、いつまでも。サイレンススズカ

         ――私の夢は、サイレンススズカです。  当時、スペシャルウィークとグラスワンダーの二強対決だと謳われた1999年の宝塚記念出走前、実況の杉本清アナウンサーの突如紡ぎ出した言葉は、実際に耳にした多くの観衆の心中に密かに、そして静かに眠っていたはずの、ある夢の存在に改めて気づかせてくれた。  人々の心底に駆ける馬の名は、サイレンススズカ。ご存知の通り、昨年1998年宝塚記念の優勝馬である。鞍上はナリタブライアンを三冠へと導いたことでも有名な南井克己。  脂の乗った4歳馬の中

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