自然分娩か無痛分娩か

私は迷わず自然分娩を選んだ
私がお世話になったクリニックは
無痛分娩で有名なところで
遠方からわざわざ選んでくる人もいるらしい
検診のときもよく「無痛じゃないよね?」と
よくきかれた。

私には無痛の選択肢はなかった
理由は、麻酔が怖いから。
自然と一体化することが最も無理なく産めると
思っているから。

結果として、私は自然分娩でよかったと思っている
30時間超えの陣痛と促進剤+吸引分娩
これでだめなら帝王切開と言われる
まぁ難産だったと思うが
(それでもフルコースじゃないだけ
マシなほうなんだと思う)
それでも、次も自然分娩で産もうと思う。

無痛分娩を、経験していないから
なんともいえないが
産むまでの過程でゆっくり準備され
子宮口も、柔らかくなっていたこともあり
会陰切開もしたが最低限で済んだようで
会陰切開の傷はそこまで痛くなかった。
産後も回復が早く(痔の痛み以外)
普通に食事もできたし、
職場に報告の電話をする余裕もあった。

そして、なにより出てきた瞬間の感覚が
今でも忘れられない。
生暖かい人間がドロドロっと出てきた
達成感と安堵とお腹の中に何も無いという
爽快感があった
トツキトオカ、出したくても出せない何かが
ずっと身体の中にあるというのは
それなりの不快感があった
それが一気に出てきたときの感覚があった

この感覚は無痛分娩でも得られるのだろうか
それは無痛分娩も経験してみないとわからない

私は別に、自然分娩をおすすめしようとは思わない
どんなお産でも出産というのは命懸けで
壮絶で尊いものだ
帝王切開でも、無痛分娩でも、自然分娩でも。
そもそもトツキトオカ自分の身体の中で
もう一つの身体を、育てたというだけで
それは奇跡で、大仕事である。

ただ、無痛という言葉だけが
独り歩きしているのではないかと、思うことがある
海外では無痛が普通で
なんでわざわざ痛みを経験しようとするの?
という、意見には疑問がある。

私がお産を終えたあと
分娩室で休んでいるとき
隣の部屋から叫び声が聞こえていた
「痛いー、痛いー、」「あーー」という
甲高い声が聞こえていた。
私は心のなかで「頑張れ、あと少しだー!」と
数分前の自分を応援するかのように
その声を聞きながら昼ご飯を食べていた。
それにしても痛がっているし、叫んでいる。
確実に私以上に。

彼女は無痛分娩でのお産をしていた。
助産師さんが教えてくれたのだが
子宮口が開かぬまま計画無痛をしていて
無理矢理お産に向かっているらしかった。
良くわからないが、無痛でこんなに痛いなら
無痛って?と思ったら泣けてきた。
(産後のメンタルも手伝って)

無痛だから全く痛くないということはなく
それも人によるんだと思う。
だから無痛だからお産が楽とか
痛みを感じないから無痛にした方が良い
などと安易に思ってはいけないと思う(特に男性)

中には無痛が向いている人もいるらしい
痛みでパニックになる人や
心の安定に繋がる人もいる。

私は、たまたま痛みを割と我慢できるタイプで
割と冷静に対処できると思っていたから
自然分娩を選んだ。
あと、前述の通り、麻酔が怖かったから。

一人ひとりが自分と相談して
一番良い方法を取ればいいと思う。
それが一番、自然な形のお産なんだと思う。

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