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【開発者インタビュー】使い手によって可能性が広がる「コモド」②初の財布開発に苦戦

こんにちは、ULYSSES広報担当の長澤です。
前回、ULYSSESの定番財布「コモド」開発のきっかけをお話ししました。本日はその続きです!実際にコモドを作り始めてからの苦労やこだわりを開発者にインタビューしました♪

初の財布開発に苦戦

―作り始めてどうでしたか?
まず最初に、紙で作ってみたら簡単にできたんです。意外と最初からうまくいったので、これを革に置き換えればすぐに完成だと、甘く考えていました。

―実際はそうじゃなかったんですね
はい。大変だったのは、コモドの大きな特徴である、浅いコインスペースです。紙で作るとキレイな笹舟型にできるのに、それを生地に置き換えると、ひどくシワが寄ってしまい、コインの転がりが悪くなりました。

コモドはせっかくコインの視認性と取り出しやすさを考慮して浅いコインスペースにしているので、コインもきれいに並んでほしいわけです。何度もシワの原因の仮説を立て、工場の名人にもアイデアを出してもらって…。

結局、100%完璧には解決できないまま、とりあえず商品化しました。本当の原因に気づけたのは、発売してから1年後くらいです。

コモドのこだわり

―形でこだわったポイントは?

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使い心地の面では、マチが広がるようにWマチにしました。財布の右と左の部屋それぞれにマチができて、がばっと大きく開くので見晴らしはよく、カードやお札の出し入れもしやすくなります。 また、シンメトリーなフォルムにもこだわって、ジップが大きく回り込むような意匠にしました。この形状も、開口部が大きく開くことに貢献しています。

―革選びはいかがでしたか?
一番最初は、バダラッシ・カルロのナッパという上質で柔らかい革から始めました。カードをたくさん入れてパンパンになっても、外側がゆるく変形してうまく吸収してくれるので財布が膨らまず分厚くなりません。手触りもよく、使い心地も良いものになりました。

ところが、長く使い続けると革が柔らかくなりすぎて、カードの形状が割とはっきり表に響くという弱点が見えてきました。そこで、もう少し表に響きにくい素材を探して、何度か革の種類を変え、最終的に英国のブライドルレザーを使ってみたところ評判が良かったので、現在では定番化しています。

―ジップ選びにも苦労したとか

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2017年のデビュー当時は、樹脂でできたコイルファスナーを使っていました。普通、革製品に組み合わせるジップといえば、業界では金属ファスナーがお約束なんですが、心地よさを最優先にした結果、あえて滑らかさで勝るコイルファスナーからスタートしました。

―なぜ“お約束”より、滑らかさを重視したんですか?
革製品を作る上で見栄えを良くしたいという「欲」はあったのですが、それでも滑らかさが勝ったのは、小さなストレスが積み重なっていくことが嫌だったんです。

例えば、お札が金属ジップにひっかかった経験は、だれでも1度はあるんじゃないでしょうか。お札が傷ついていくことや、自分が傷つけたお札を支払いのときに誰かに渡すことに、チクチクと心が痛みました。できるだけきれいにお札を使ってバトンタッチすることは、相手への心地よさを考えて先回りする、気遣いだと思うんです。

―その後、金属ファスナーに変えた理由は?

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実はあとから、動きが渋くならない金属ファスナーを見つけました。また、お札の枚数が規定枚数に収まっていれば、金属ジップでもお札が引っかかることなく使えることが実験で分かって。

ところが、選んだ金属ジップは耐久性が低く、ファスナーの正解はどれなのかと、数年に渡って悩みました。今のジップに辿りつくまで、4回ぐらい変えましたが、この話を始めるとものすごく長くなるので(笑)、それはまた別の機会にお話できればと思います。

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次回、【開発者インタビュー】使い手によって可能性が広がる「コモド」③使い方の柔軟性

お楽しみに!

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