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誕生日

音声配信アプリ「stand.fm」での企画
「#声ッセイ」に参加して書いたものです
テーマは「誕生日

音声でもお聴きいただけます

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娘が字を読めるようになった頃から、うちの習慣となっていることがある。

「誕生日にはカードを贈る」

誕生日カードは1枚。

3人家族なので、半分ずつ贈る相手にメッセージを書く。

同じ屋根の下で暮らしている、毎日顔を見ている間柄だが、この時ばかりは改まってゆっくりと贈る言葉を探す。

喧嘩もする。

怒る時もある。

不機嫌になる時もある。

ひどい言葉を言う時もある。

それでも根底には、愛があることを知っている。


1年に1度、この世に誕生したことを祝う誕生日に言葉の愛を贈る。

先日の娘の誕生日にプレゼントを渡したが、
プレゼントの中身を見るより先に
カードを読んだのは、微笑ましかった。

文字で書くことで、想いを留めておき、この愛がずっと伝わると願って。

夫へは、身体を気遣う言葉が増えた。

私へは、「これから好きなことに時間を使って」と子育てがもうすぐ終わることを実感させられる言葉が追加された。

娘への言葉は、成長と共に毎年変化している。

小さい頃は、「大好き」や「ありがとう」「優しい」が並んだ。

少しお姉さんになると「頑張ってるね」「応援しているよ」という言葉を贈った。

そして今、思春期になり、学校のことは聞けば答える程度になった。

お友達とのトラブルが分かった時も一人で何とかしようとしていた。

トラブルと聞いてしまうと、夫は、娘可愛さに走り出してしまう性格だ。

子ども自身で解決した方がいいこともあるが、

場合によっては、親として子どもを守らないといけない場面もある。

その時に娘に言った言葉を今でも私たちは、贈り続けている。

それは「パパもママもあなたの味方だよ」という言葉。

私達は、あなたを決して裏切らないし、信じていくよ。

自分を曲げてまで理不尽なことをしなくていい。

どんな選択をしても自分を信じて進んだのなら、それを応援していくから。

普段は、こんなこと言ったら「なんなの?」と反対に突っかかってくるだろう。

ちょっとカッコつけた言葉を書いても、誕生日カードになると

素直に「ありがとう」と笑顔で言ってくれるから、不思議だ。

来年は、どんな誕生日カードを贈ろうか。

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