そこに愛があるかどうか

運転をするようになって一年半くらい経った。それまでは免許はゴールドでID代わりだった。

今は車でしか移動できない。どこへ行くにも車。

トヨタの章男社長だったかが、愛がつく物は車くらいしかないと言っていたのを聞いた気がするが、本当にその通り。

毎日、無事家に戻ると、今日も一日ありがとうと声をかけて優しく撫でている。できれば抱きしめたいくらい。

どこへ行くにも一緒。私の行動の全てを把握しているのは私の愛車だけ。

本当に愛着があり、これは正真正銘の愛だと断言できる。

作り手の愛も込められていると思うし、一度軽くぶつけてしまったことがあり、修理してくれた人の気持ちも加わっている。

翻って、世の中に溢れるたくさんの物。どんな物も、この世に生み出されたからには愛されてその寿命を全うしたいはずだ。

果たしてどれだけのものが、愛を込めて作られ、愛を持って使われているのか。

誰にも使われないまま一生を終えるものもあるかもしれない。

そうだとしたらこの世に生み出されたこと自体が可哀想だ。

どこかの国でつくられて遥々運ばれてきて。

そんな物の気持ちを考えてしまった一日。

私たち人間一人ひとりの賢い選択が求められている気がしてならない。

愛を込められるのは人間だけだから。