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実写版「かぐや様は告らせたい」を観て気分が悪くなった

※(2021/8/22追記)続編の感想も上げました。


偶には長文を垂れ流したくなるときもある。今回は2019年の秋に公開されて微妙に話題にならなかった実写版「かぐや様は告らせたい」についてだ。

原作を知らずに実写化映画を観に行くことが多いオレだが、今回は珍しく原作もアニメもすでに観ていて、めちゃくちゃハマっていたときに観に行った。

橋本環奈はかわいいネ。漫画実写化の常連になりつつあるのでは?

「かぐや様は告らせたい」の実写化が決まったと聞いた当時は俺は普通に期待していた。原作は質のいいラブコメだし、あのゆるい雰囲気を再現できればまあ観れたもんじゃない物にはならんやろと考えていた。ときどき挟まるシリアスなところだってよほど変な改変をしない限りはいけるだろうとも。それに主演は橋本環奈だ。それだけでお釣りは来るだろう。

しかし俺は甘かった。まさか原作が好きならば好きなほど不快になるつくりをしている映画だとは。原作を観ていなかったとしてもつまんねえと感じたであろう出来だったが、なまじ俺は原作が大好きだったために大ダメージを受けてしまった。

俺は実写版デビルマンから何も学んでいない・・・

実写だとなんかうーんってなる

超抽象的で知性のカケラも感じられない感想だが第一印象としてはこれだった。アニメや漫画では楽しめたキャラ同士の掛け合いがなんか・・・こう・・・キツいんだよな。二次元と三次元でこうも印象が変わるとは思わなかった。原作と同じことをしてる場面でもなんかこう・・・うーん・・・

主人公の白銀御行会長役の平野紫耀は微妙に会長っぽくない。かけ離れているというわけではないのだがアニメや漫画のイメージとなんか違う。それにあんまり演技が上手じゃない。アニメでのあの迫真の演技を知っているとなんか微妙な気分になってくる。平時のお高くとまっているときの演技が特に微妙だ。なんか声かすれてません?

もう一人の主人公である四宮かぐや役の橋本環奈は見た目はかわいいしかなりかぐや様っぽい。他人を見下しているっていう性格もなかなか再現できていたとは思うが、もう一つの四宮かぐやを構成する大切な要素である文武両道の万能型の天才ってところがちょっと足りてない印象があった。演者が演者だから仕方ないのかもしれないが頭脳明晰な感じはそこそこだせているが身体能力が優れている印象は正直ゼロだった。             いや原作でもポンコツなところが大分目立ってはいるがそれにしてもなんかただの箱入りお嬢様って印象になってしまっているようなきがする。   それになんかやたら声低い印象だった。個人的には微妙だったなあ。そういう演技指導だったんだろうか?

ヒロインの藤原千花書記はもうアニメまんまだった。完璧に100%藤原書記だった。アニメからそのまま出てきたと言っても過言ではない。でもだからこそ「アニメだから可愛さを感じるところあったけど実際にこんな女の子いたらマジうぜえしキツいな」って印象を受けてしまった。でも本当に再現度100%だったと思いますよ。ええ。

で、石上優会計なのだがこれは本気で問題だらけだと思ったので後述する。

微妙に改悪するのやめてほしい

実写化にあたってオリジナル要素を入れたり原作から改変するのは当然あるとはおもっている。だがそれがことごとくずっこけている気がするのだ。

先程言及した石上優会計なのだがこれは本気でむかついた。原作での陰キャなオタクという要素だけしか取り入れられてないキャラになっていたのだ。無駄にお人よしすぎるあの石上会計の良さが全く出せていない。言ってしまえば「オタクってやっぱキメえなギャハハwwww」と笑わせようとするだけの要員になってしまっているのだ。

妙な原作改悪もそれを後押しする。原作だと白銀会長がかぐやと喧嘩したときに相談を持ちかけるのが石上会計なのだが映画だと柏木さんの彼氏(翼くん)に変更されている。

いやちげえだろと。普通に考えれば女の子と仲直りする方法は彼女持ちに相談したほうがいいからという理由で変更したのかもしれないが、あそこは何故か石上会計に相談する白銀会長のマヌケさ。ギャルゲーやってるから恋愛マスターとか言い始めたり、白銀会長が仲直りしたい相手がかぐやだと知らぬが故にディスりまくるところ。更には何故か最後にはバシっと的確なアドバイスをできてしまうところが面白いし、なにより人をよく見ているという石上会計の良さが出るのではないか。

あとは不自然なシーン削除もある。風邪をひいてしまったかぐやを看病しにいく人を神経衰弱で決めるというくだりがバッサリカットされている。なんでやねん!!!クソみてえなオリジナルシーン入れるくらいなら神経衰弱やらんかい!!!!!!

あとNGワードゲームもやらない。それなのに藤原書記の名台詞「ドーンだYO!!」というのは無理やり挿入される。いやそれなら普通に原作再現すればよかったのでは??

そしてこの手のコメディ漫画実写化につきものの佐藤二朗がこれまた本気で問題だ。原作だとかぐやに「あなたは恋の病です」と告げる医者というコメディ的な役回りでそこまで出張ってこないのだが、佐藤二朗が演じるからという理由なのかは知らないがとにかくでしゃばる。いつもの佐藤二朗劇場をそれこそ10分少々続けるのだ。本気でくどい。佐藤二朗が嫌いになりそうだった。しかもその佐藤二朗劇場が映画後半のオリジナル展開に関わってくるのがもう本当にムカつく。もう佐藤二朗はバラエティでしか観たくない。

後半の完全オリジナル展開はマジでクソ

この映画の後半は映画完全オリジナルのストーリーが展開する。生徒会が解散したあと次期生徒会長を決める選挙で白銀御行と四宮かぐやが争うというものだ。

いやなんでだよ!!!!!!

おかげで原作では白銀御行と次期生徒会長選挙で争った伊井野ミコが出てこないどころか存在すらしない扱いになっている。ミコちゃん俺が一番原作で好きなキャラなのに・・・

しかも原作だとこの話で生徒会メンバーの結束力はもちろん、御行の人の良さ、石上会計のお人よしっぷり、かぐやの狡猾さ、藤原書記の・・・面白さが再確認できる。それに新キャラである伊井野ミコというキャラの強烈さも前面にでていてとても良い。個人的には屈指の神回だと思っている。

それが映画だとかぐやと御行を争わせる形式にしたせいで上記の言いところが全部無い。真っ二つに割れて争っているし。伊井野ミコも出てこない。

御行の応援演説を任された石上会計はゴニョゴニョまともに喋れないと思ったらいきなりリア充に対するヘイトを大声で叫びだすということまでやらかす。

これは本気でダメでしょ。そもそも石上会計は応援演説を引き受けたりしないだろうし、もししたらしたで空気も読まずにいきなりリア充に対するヘイトを叫びだすなんて行為は絶対にしない。前述した石上会計が「オタクってやっぱきめえなギャハハwwww」と笑わせに来る要員にしかなってないという欠点を加速させている。

オチとしては結局白銀御行が会長を続けることになり次期生徒会も前と同じメンバーでやることになり、争った事によりかぐやと御行の距離は少し縮まりました。というごくフツーな感じだ。そのまま映画も終わる。

最高に気分が悪い

ミコちゃんは存在を消されたし石上会計のキャラは超改悪されてるわで本気で気分が悪くなった。いつもより数倍のダメージをくらうクソ映画だった。

思うにこの映画はかぐやと御行の恋愛要素にばかりフォーカスしたせいで原作の良さをあまり引き出せていなかったのかなと思う。生徒会メンバーの友情物語としても面白いのだ。「かぐや様は告らせたい」は。

あとは原作のエピソードを適当にくっつけただけという展開もダメだったと思う。なんか話の繋がりが不自然なのだ。この要素はクソ映画の征夷大将軍「デビルマン」に通ずるところがあると思う。

オススメポイントとしては・・・そうだなあ・・・橋本環奈が可愛いのと藤原書記役の人の再現度がすっごいところかな。

正直原作好きなら観ないほうが良いと思う。橋本環奈か平野紫耀の大ファンならまあ・・・






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