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実写映画「かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦 ファイナル」もやっぱり気分が悪くなった

※ネタバレあります。単行本最新刊までの原作ネタバレも多少あります。

前作の実写版かぐや様は告らせたい、俺は相当アレな映画だと思った。めちゃくちゃムカつく原作改変、くどすぎる佐藤二朗、石上くんの描写の仕方・・・あと主演二人の声とか。兎にも角にも原作やアニメで俺が好きだったところがことごとく台無しになっている映画だと思った。

いやなんでそんな感想抱いたくせに続編観に行ったんだって言われたらもしかしたら少しはマシな映画になってるかも・・・という希望が1割ほど。6割が俺がクソ映画好きだから。残り3割が前作の感想の記事が思いの外伸びたので味をしめたから今作の感想も書いてやろうというスケベ心だ。

よかったら読んでね。

やっぱ主演二人の美男美女っぷりにはビビるザマス。

多少改善されてはいるが前作の悪いとこそのまんまだよ。

いやまあわかってたけど普通に不快だったよこの映画。前作で本気でムカついたくどすぎる佐藤二朗劇場は多少はマシになっていてかなり短くはなっていたがそんくらいだ。前作同様の原作の要素を不自然にくっつけているデビルマン方式でいまいち物語にノってこれない。

あとこれはもうこの映画が悪いわけでは無いとは思うしオレ自身がキモオタだからってのはあるかもしれないけど、やっぱり実写でかぐや様は告らせたいを見せられるとなんかこう・・・微妙な気持ちになっちゃう。ちゃんと原作再現上手くいってるシーンでも「なんか実写だとキツいって感じるなあ・・・」となるのも相変わらずだった。上手く言語化できないんだけどこう、羞恥心を感じる・・・みたいな。

あとなんかバラエティみたいな字幕が入りまくるのもすっげえ不快だった。そういった演出しなくても笑いはとれるだろうになぜにテンポを損ねるような事をするのか。今どきの大衆受けをねらったらああいう作りになっちまうのかなあ。俺は映画作品でバラエティみたいな雰囲気持ち込むのまじでやめてほしいんだけど。

まあそもそもこの映画のターゲット層がそういう人達だからなのかもしれない。別に原作を必死に上手いこと再構成して物語として面白くする必要なんて無いのだ。主演の超人気芸能人が活躍している場面を観客に提供する作品なのだから。物語はついでに過ぎないのかなあ。ゴジラvsコングの恋愛映画バージョンともいうべきか。

今回も原作改変が襲いかかる。

先に言っておくとこの不満に関しては映画は全く悪くないとは思う。完全にオレ個人の問題なのだが、オレはかぐや様は告らせたいという作品をラブコメというよりはどちらかと言うと青春群像劇として楽しんでいる。いろんなキャラクターの複雑にからみあう人間関係を2時間の映画2本で描ききるのは少しムリがあるとは思う。白金御行と四宮かぐやの恋愛関係に完全にフォーカスをあてた作品になるのは何も間違いではないと思う。

でもそのせいでオレがかぐや様は告らせたいで大好きな要素がことごとく台無しになっているのだ。前作、キャラがかなり改悪されていた石上くんだが今回も前作よりは多少マシかもしれないがそれでもなんだかなあ~とは思った。体育祭編が今回入るのだが原作と比べて石上くんがちょっと情けないキャラになっている。応援団に場違いながら参加して頑張る・・・というエピソードは挿入されてはいるのだ参加するきっかけが全然違う。原作だと学園生活がこのままだとダメだと思ったから一念発起して自分から参加するという流れなのだが映画だと応援団を観て青春ヘイトを撒き散らす石上くんを見かねて御行が参加するよう促すといったものになっている。

いや~~~体育祭編は石上くんが半分メインキャラみたいなところあるし石上くんが成長するきっかけになるすげえ大事なイベントなんだからそこ原作通りで良くない?なんでちょっと石上くんの株を下げるようなことするんだよ。あと尺が足りなかったからかもしれないが応援団で頑張っていくうちに徐々に石上くんも変わっていって前向きになっていくというシーンが一切無い。最後のリレーのところでいきなり一念発起したみたいな描かれ方をしている。応援合戦のときなんて周りの目線気にしていきなり逃げ出しちゃうし。

石上くんが同学年から嫌われているきっかけになった事件も概ね原作通りではあるのだが、映画だと単純に反省文を書かされているくらいになっている・・・のかな?ここらへんは描写が曖昧でよくわからなかった。

なによりその事件の真相を突き止めて石上を救い出すのが原作だと御行、かぐや、藤原書紀の3人でやるのだがこれが御行とかぐやの二人でやった事になっており、藤原書紀は全くその事件を知らない事になっていた。藤原書紀は本当にただのおまけ扱いなんだなって思って正直寂しかった。

それにその事件の当事者だった女の子が体育祭に来ており石上くんに罵声を浴びせかけて自分を変えられそうと希望を持った石上くんがまたどん底まで落ち込んでしまい・・・というのもカットだった。上げて落としてからの御行のフォローがすんげえかっこよかっただけになあ・・・まあこれも尺の都合ゆえ致し方なし。

あと石上くんが起こしてしまった事件の黒幕がどうなったかが全く描写されない。原作だと海外にぶっ飛ばされる目にあわされているのだが今作だと全く言及が無い、ちょっとモヤっとする。

つばめ先輩は今回の映画にも出てくるし概ね原作と同じ感じだが、石上くんとの恋愛描写が非常にあっさりしている。文化祭のシーンでキャンプファイヤーのときにこっそりハートのアクセサリーを渡していい感じになる・・・くらいの描写しかない。原作だと石上くんとつばめ先輩は文化祭でもっといろいろあるんだけどネ。まあそこに尺を割く余裕は無いだろう。・・・原作でどうなるかを知っている身としてはちょっと複雑だったけど。

ミコちゃんの扱いまじで不満だらけザマス。

今回特に俺がムカついたのがこれだ。俺がかぐや様は告らせたいで一番好きなキャラだからだけど。

前作のオリジナル展開のせいで存在が抹消されたかと思っていたのだが、今作にはちゃんと登場はする。・・・が本当にそれだけ。石上くんとのそれはそれは複雑で愛憎いりまじった関係はバッサリカットだ。基本的にポエムを垂れ流すか藤原書紀の腰巾着にしかなってない。石上くんを生徒会参加当初は本気で嫌っている感じなのはいいが例の事件を引き合いに出して石上をけなしまくるのはちょっと・・・原作だとそんなに触れてなかったし気がするしそもそも石上くんが退学寸前だったのを救ったのはミコちゃんの活躍もあったからだ。

それにリレーのときに事件の真相を知って石上くんが悪くないことを知っていきなり手のひら返して・・・というのもなあ。あと石上くんを大声で応援するのもすげえ嫌だった。原作で誰でにも聞こえないような声でぼそっと「がんばれ石上」と呟くのがすんげえエモかったのによお。文化祭でキャンプファイヤーをやろうと奮闘するのも全部カットだ。暴走する藤原書紀についてくだけだ。

本作でミコちゃんの存在意義はほぼゼロだ。いる必要が無い。いなくても物語が普通に成り立つ。なんなんだよ本当に。藤原書紀のことを尊敬している理由も原作だとピアノの腕前がすごいからという理由がちゃんとあるのだが本作だとただなんとなく手なづけられているだけだ。

ちなみにミコちゃんの友人の大仏こばちは存在を抹消されている。あのキャラもかなり拗れているキャラで好きなんだけどな。南無三。

最後のオリジナル展開も正直好きではない。会長が海外の大学に行ってしまうというのを文化祭でかぐやに告げる・・・というのは原作通りだが、本作だと文化祭後にいきなり会長が海外に行ってしまうところまで時が飛んでしまう。おいおいおい原作まだそこまで描写してないぞ。しかもかぐやは文化祭からずっと失踪しているらしい。

まあここで完全にオチは予想できるとは思うがかぐやが御行の大学に前もって入学しており、そこでかぐやが御行に告らせることに成功して二人は無事結ばれました。というオチ。文化祭編が終わってから急にこのオチがぶっこまれるのでちょっと困惑する。オチがあんなんだから四宮家のドロドロした描写も全面カット。カラッとしたフツーの恋愛映画になっていた。

原作ファンにもうちょい配慮してほしかった。

まあこの映画はあくまで主演の二人を見せて、佐藤二朗で笑いを取るだけの映画だ。オリジナル映画だと売るのが難しくなるので原作としてたまたまかぐや様は告らせたいが選ばれただけって感じ。

俺みたいな原作ファン、というか石上くんとミコちゃんの恋愛描写が一番すきな人間が観に行っていい映画では無かったのだ。今現在の原作の展開マジで好きだ。もっともっと二人には拗れてほしい。大仏こばちも参加してドロドロもしてほしい。いやあ楽しみ。

ということで原作に対する思い入れが強いひとにはあまりこの映画オススメしません。カップルが適当にみる恋愛映画としては最適だと思います。






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