見出し画像

お客様からの曖昧な回答にどう対応する?【悩める現場の相談所 #11】

みなさん、こんにちは!
悩める現場の相談所では、実際に当社ウルシステムズのコンサルタントから上がったお悩みと、百戦錬磨の先輩コンサルタントによる回答をご紹介していきます。

「自分も同じことで悩んでた!」「あーそれ分かる分かる」・・・読めば共感できること間違いなし!


❓:Question

お客様にヒアリングをしたら曖昧な回答が返ってきて困っています

お客様にシステムの要件をヒアリングしたところ、「良くなるようにしてください」「正しくしてください」といった曖昧な回答返ってきました。
私たちの役割は、「こんなシステムや機能が欲しい」といった問題提起があって、それを解決するための手段を提案することではないでしょうか。曖昧な回答が返ってきた場合に、お客様から正解を引き出すにはどうしたらいいですか?


例えるなら、マックでバイトをしていて、注文されたナゲットを渡す際に「ソースはケチャップが良いですか?マスタードが良いですか?」と聞いたら、「おいしい方で」みたいな回答をされて困ってしまった、ということですよね。
こういった悩みは、若手コンサルタントが要件のヒアリングを経験していく中で誰もが一度は突き当たる壁ではないでしょうか。

ここからは、ウルシステムズコンサルタントたちの回答をいくつかご紹介していきます。
色々な考え方がありますので、共感できる回答やヒントになりそうな回答をぜひ見つけてみてください!


💡:Answer(byベテランコンサルタントAさん)

お客様の課題を整理することが求められています

お客様が曖昧な回答をされる理由を考えてみませんか。
例えばあなたが体調を崩して医者に診てもらう時、こんな薬や治療をしてほしい、そしてそれがあればよくなるはずだという確信をもって医者に行くでしょうか?大抵は何か調子が悪い、でもなんでそうなってるのか分からない、という状態ですよね。
あなたが医者に対して希望することは「体調を良くして欲しい」ということだと思います。その時に医者から「どういう治療をして欲しいですか?」と聞かれても困ってしまいますよね。

この場合のお客様も同じではないでしょうか。
何か課題感はある、でも原因は分からない、うまく整理できていないけれど解決に導いてほしい。おそらくそんな状態で我々コンサルタントに声がかかっているのではないでしょうか。
とすると、そんなお客様に「どんなシステムが欲しいのですか」と聞いても具体的な回答は出てきません。むしろそれができていたらコンサルタントに依頼をしたりしないでしょう。
お客様のふわっとした課題を整理して、本当に求められていることを明確にする、それが我々に求められているのです。


💡:Answer(byベテランコンサルタントBさん)

「引きだそう」という考え方から「一緒に作ろう」という風に変えてみる

ヒアリングをして「正しくしてください」という回答が返ってくるような場面というのは、お客様には何の意見もないゼロの状態なのではないでしょうか。自分の意見を持っていない人から、いくら回答を引きだそうとしてもやっぱりゼロなので、徒労に終わってしまってお互い疲弊しそうです。
なので、「引きだそう」という考え方から「一緒に作ろう」という風に変えてみるのがよいように思います。

例えば、複数の具体案を提示してお客様に選んでもらうというのはどうでしょうか。

「A案とB案があり、
 A案のメリットはXX、デメリットはXX
 B案のメリットはXX、デメリットはXX
どちらにもデメリットがあり100%正解といえる案ではありませんが、決めて進めないといけない状況です。
A案のメリットが大きいので、我々としてはA案を採用すべきと考えています。
A案・B案の善し悪しにご意見をいただけないでしょうか。あるいは第三のC案を一緒に検討させてください」

こんな風に聞けばさすがに「正しい方で」とは言われないのではないかなーと思います。


💡:Answer(byベテランコンサルタントCさん)

これぞ究極のコンサル

質問のシチュエーションは、まさにコンサルタントが求められる場面ではないでしょうか。
お客様はこう仰っているのです「私は何聞きたいのかわかってないけれど、あなたに聞けば私が考えてることを整理して私が知りたい答えをくれると思っています」。
コンサルタント冥利に尽きます。

そうは言っても、「知らんわそんなもん」と言いたくなる気持ちも分かります。
ここはひとつ、一足飛びに正解にたどり着きたくなる気持ちをぐっと抑えて、お客様が本当に求めていることを探ることにしましょう。
耳を傾けるべきは、お客様がシステムを欲しいと思うに至った原因にあります。システムはあくまで手段だからです。問題によってはそんなシステムそもそもいらない、もあり得ますし、全然違う手段を取った方がいいケースもあり得ます。

その点に注意をしてお客様の話をによく耳を傾けたら、そこから仮説を立ててみましょう。そして仮説を相手に投げかけて反応を見て修正する、を繰り返すことで、お客様が本当に求めていることを探ってください。
聞き出し方は一朝一夕には身につかないかもしれないです。私も100%の自信をもってできるなんて言えないです。頑張ってください。


おわりに

本日は、お客様への質問に関するお悩みとウルシステムズコンサルタントの回答をご紹介しました。
お客様から明確な回答がいただけない場合は是非、課題の整理をしてさしあげてください。一緒にお客様の課題を解決できたら良いですね!

「現場で使える!コンサル道具箱」は、その名の通りすぐに現場で使えるコンテンツを無料でご提供している note です。あなたの欲しい道具が探せばあるかも?ぜひ他の記事もご覧ください!

ウルシステムズでは「現場で使える!コンサル道具箱」でご紹介したコンテンツにまつわる知見・経験豊富なコンサルタントが多数在籍しております。ぜひお気軽にご相談ください。