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納得しちゃったらそこでおしまいだからね

ほんとうにほんとうの趣味、楽しみ、という位置づけなのであまり公表していないのですが、たまに「歌うこと」で人前に立たせていただくときがあります。

両親が音楽をやる人たちなので、我が家の父の部屋はほぼスタジオのようになっていて、わたしもライブ前などはそこで練習をします。

明日はちょうどライブで3曲ほど歌わせていただくので、選曲をしつつ練習をしていたのですが、やりたいと思っていた曲をいざマイク越しに歌ってみたら、正直ぜんぜん上手く歌えず、キーの調整も少しやってみたけれどいまいちで、「やっぱりこの曲は無しかな……」と思いながら練習を終えました。

リビングで夕飯を作ってくれていた父に、あまりしっくりこなかったことを話したら、

「まぁ、納得しちゃったらそこでおしまいだからね」

と、突然芸事の本質情報を「もうすぐご飯だからね〜」くらいのノリで言われて、浅はかな娘は散り散りに爆散しました。
ちなみに夕飯は夏野菜の煮浸しうどんでした、美味しかったです。


舞台芸術に関わるようになって10年以上が経ち、こと演劇においては「つきつめること」自体を無意識にできるようになっていた。
だから、うっかり忘れていたけれど、芸事は「これでいいかな」と思った途端に錆びはじめる。時間は止まらないから、常により良くあることを意識しておかないと、クオリティの維持すらできなくなってしまう。

さらに、こちらができあがったと考えるものをいざ観客の前に差し出してみるときに、その日その場の観客とジャストフィットするかといったら、それはまったくの未知数である。
(とはいえ、わたしはそれをあんまり考慮せずにつくって、周りの人たちにその角を丸めてもらったりすることが多いので、これに関しては自分のこれまでの作品と必ずしもマッチするわけではありません。)

しかし、その場での作品の在り方を、これまで稽古してきたものと擦り合わせながら、一番純度が高い状態で披露するのがきっとベストなのだと思うから、やっぱり練習することは大事だし、同じくらい場に耳を澄ませることも大事だと思うのです。
そしてなにより、練習したならば、自分のすることに恐縮してはいけない。


というようなことを、もっとぶわ〜っと考えながらシャワーを浴びていたのですが、ビールを飲んだら酔っ払ってしまったので終わります。
明日は歌唱のスキルよりも、言葉の伝わり具合を大切に歌ってみようと思いますが、果たして。

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