2024年2月1日(木)の300字小説

 東京土産といえば、東京ばな奈かひよ子だと思う。ひよ子の方は別の意見が出そうだが、少なくとも私の子どもの頃からのお土産は、それだった。
 東京に住む姉のところに行った帰りに、母が東京ばな奈を買ってきた。
 一定時間お仏壇にあげた後で、お茶を淹れて食べる。
 久しぶりに食べるばな奈は甘くて、変わらず美味しかった。
「あの子のところに、白い恋人持って行ったら喜んでいたよ。かんくんが」
 かんくんは私の甥っ子である。来月4歳になる彼は近頃甘いものに目がないらしい。白い恋人も喜んで食べていた、と母は嬉しそうに話している。
 そのときの写真も見せてもらった。
 満面の笑みで白い恋人を頬張るかんくん。とても可愛い。
おしまい

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