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人助け(2024年3月29日(金)の300字小説)

 お昼休み、コンビニに行った帰りに、地図を広げた外国人が困っている様子だった。一瞬通り過ぎてしまおうかと思ったが、なんだかそれは良くないな、と感覚的に思った。
「メイアイヘルプユー?」
 一生懸命訊ねた。
「Please tell me the way to a nearby shrine?」
「Shrine?」確か神社のことだ。
「神社までの道のりが知りたいんですね。Ok.レッツゴートゥギャザー」
「Thank you!!」
 外国人の男性はすごく感謝してくれているみたいだった。
 午後の仕事開始には遅刻したが、良いことをしたので由とする。上司には睨まれたが、その後の仕事は上手く行ったので、名誉挽回だ。
 帰宅後、飲んだ缶チューハイが美味しかった。良いことして良かったと思うのだった。
おしまい

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