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3月の吹雪(2024年3月18日(月)の300字小説)

 3月の月曜日、朝から北海道は吹雪いていた。
 寒いと思ってダウンジャケットを着てきたが、歩いていると汗をかいた。雪の日は結構暖かい。
「今年は雪少ないと思っていたから、辻褄合わせてきたね~」と職場の先輩が言った。
「暑くて汗かいちゃいましたよ」と私は濡れたジャケットとマフラーをロッカーに干した。
「なんで雪の日って暖かいんでしょうね」なんとなく尋ねると、
「雪って保温効果があるみたいよ。ほら、かまくらとか」と教えてくれた。
「これで風がなかったら、言うことなしなのに」私がぼやくと、
「ほら、まだ紙が濡れているよ。拭いて拭いて」と先輩はタオルを渡してくれたのだった。
おしまい
 

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