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ユートピアに行く方法

働き方2.0を経て、今は3.0と4.0の間くらいにいるネオリベ(新自由主義者)のつかさまきです。(橘玲氏の記事「加速するGAFAへの人材流出」からの定義抜粋は以下)

そんな私のアウトローな個人事情はさておき「霞が関、テレワーク調査日だけ人出減」なんてニュースに触れると、日本の多くの組織や個人の世界線は、いまだに冒頭記事の書かれた2019年3月から大差ないように感じます。

働き方が「未来世界」へと向かうなかで、日本の組織の多くは、いまだに「前近代世界」のタコツボに押し込められている

携帯端末のビックデータからそれがバレるなんて、格好わる・・・。

さらに、オリンピックをめぐる山口香氏の記事に触れて思ったのですが


政府や組織委員会、JOCからはこれまで一度も、もしかしたらできないかもしれない、という話が出たことがない。それは、パリ行きの飛行機がいったん飛んだらパリに着陸することだけを考えろというようなもので、途中で何かあっても、違うところに降りたり引き返したりすることはないというマインド

このマインドね。この一言に、本件だけに限らず今いろんなところで顕在化している日本の行政の機能不全の原因が表現されていると思いました。

私が大学卒業後5年目くらいの時の大学の同窓会で高級官僚になった人が「一度決まったことは、ひっくり返したら決めた人の責任にるから、変だなって気づいてもとりあえずやり切るしかないんだよ」と言っていたことを思い出した。

友達なので面と向かっては言えなかったけど、それはわたしには理解できない衝撃的な発言で、日本の将来を担う仕事なはずなのに、同じ若さなのに、既にそんな無力感のなかで仕事しているって辛くないのかなって思った。

東京オリンピックが中止にならなかった理由もそれか。がっくり。IOCの圧力がどうとかではなく、単純に日本側の主体性と思考力の不在。私は開催に反対です。

・・・もとの話に戻りますが、コロナの影響で働き方改革が進んだなどというのは、いろんな意味で、変化を恐れない優秀な経営者を擁する、一部の恵まれた組織の話なのかもしれません。

環境激変の中で事業の見通しは暗く、リストラは焼け石に水、V字型回復の目処は立たず、経営陣は求心力を失い、中堅は昇進昇給の夢を失い、閉塞感と不信感で優秀な若手から辞めていく。みんなが仕事にネガティブで、会社を憎んでいる。

そんな場所に置かれていたら、個人としてはどうしたらいいんでしょうね?

自分ごとなら「嫌なら辞める」の一言に尽きる。けど、なんやかんやで動けない人の方が、たぶん多いのです。

で・・・考えてて思ったんだけど、その組織単位を「国」とか「地球」とかいうところまで広げたら、私にとってもそれは他人事じゃないです。日本人であることは簡単にやめられないもの。

沈みかける巨大な船のうえで、キャプテンは目が虚ろ。機関士は海に飛び込んだ。エンジンからは煙が出てて、陸地は見えない!救援も来ない!

脱出の選択肢がないなら、とりあえず自分の手の届くところで、必死で水をかきだしたり、壊れた場所を塞いだりしながら、なんとか陸に泳いでいけるところまで船をもたせようとするしかないですよね。

声が使えるなら「ああ、もうだめだ、絶望だ」って嘆くのではなく「おーい、みんな、なんとかこの船を持たせるぞ!がんばろう!!」と叫んでみんなを巻き込むとか。

身の置き場を変えられないなら、心の持ち様を変える。乗っている全員が力をあわせたら、あるいは、なんとかなるかもしれない。

やはり、どんな場面においても「どうせ努力しても変わらない、結果は同じ」と諦観するのは不幸で、死に等しいことだと私は思います。

死に物狂いで・・・希望をつかみにいく。

結局、そういうタイプが生き残ると思う。自分だけならそれはできると自信を持って言えるくらいの経験は積んできたけど、

本当のチャレンジは、その生き残りの単位を、個人からどこまで広げられるか、どこまで他者を巻き込んで世界を変えられるかなのかなと、ふと、思いました。

そのような他者との関係の持ち様が、あるいは、人が「働き方5.0」に至った時、その世界がユートピア・ディストピアいずれになるかの分岐点なのかもしれません。

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