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ランキングビジネス考-Part2

先日の「基準が不明確なのって迷惑」に引き続きのランキングビジネスについての話です。

それをPart1として、言いたいこと書き出すと数千字の大作になりかけたので、短く区切って「ランキングビジネス考3部作」でいきます)

今回は、ランキングでもうける仕組みの話。

先日、山登りのプロの知人が「my-bestのクライミング系のおすすめ人気ランキングがひどすぎる」とSNSでつぶやいていて、山好きの人たちから多くの賛同のコメントがついていました。

カラビナって、クライミングを知っている人にとっては命を預ける道具です。そこに商業主義のランキングを持ち込んで、しかもプロの登山家が監修しているという記事の見せ方をしていいのか、ということでした。(もしかしたら名前を出しているライターさんは記事の中身は監修しても、ランキングまでは絡めない仕様なのかも、と懸念されていました。)

それで私が思い出したのは、もうだいぶ前の話になりかけているけど、2016年にDeNAが医療系キュレーションメディアWELQの記事をクラウドソーシングで素人に書かせて、信頼性のない医療情報を拡散しているとして大炎上してサイトをたたむことに追い込まれた事件です。(当時の記事

そこまで悪質ではないにしても、クライミングの道具だって、誤った情報を信じた人が事故をおこすと命を落とすことににつながるという意味で、同じく慎重に扱うべき情報だと思うのです。

おそらく、my-bestは、オンライン販売データかなにかの実績に基づく自動ランキングを記事に投影してアフィリエイトでもうける仕組みなんですね。

読者が、そのバナーをクリックしたら、あるいはその先で買ったらチャリンという広告ビジネスなのです。

カラビナを買う人の目的はさまざまです。中には街でちょっと荷物をまとめるのに買うから高価なものはいらないという人も多いでしょ。そんなものを、登山道具のおすすめというクリティカルな記事に適用してはまずい。

まあそもそも危険な岩場で遊ぶなんて自己責任だし、それやりたい人はmy-bestを信じて買い物なんかするなと言えばそうなんだけど。にしても、事業者は自らが生み出すリスクについての自覚をもったほうがいいですよね。

違法じゃないけど、気づいていないだけかもしれないけれど、今のところ、my-bestにそういう倫理的視点はないようです。

データを使った便利でライブな仕組みが手軽に作れてしまう時代です。楽に簡単に儲ける仕組みを作ることが悪いとは言わない。

でも、だからこそ、私は人の血の通った領域で価値をだしながら生きていたいと思います。

さて、ランキングビジネスについては、実はもう一つ、昔やっていた仕事に基づく嫌疑もあるので、次回Part3として、それをちょっと書きます。


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