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医療制度にみるイギリスの合理性といい加減さ

移住が決まったとき5つ目くらいに頭をよぎった懸念が「医療保険、どうすればいいんだっけ」でした。企業スポンサーで行くなら会社の保険制度がつかえるけど、なんたって自腹留学セルフファンディングだから。

海外旅行保険みたいなのに入るの?クレジットカードの付帯サービス使えたっけ?子供の医療費は?私の化学療法のフォローアップは?と、色々なことが気になりはじめました。

渡英の場合、民間保険は基本不要

アメリカでは「うっかり救急車に乗ったら100万円超」とかって聞くのでビビっていたのですが、在英経験のある友達に聞くと、イギリスの医療制度はずっとまともでした。

まず、NHS(National Health Service、国民皆保険制度)があり、それに加入していれば最低限の医療費は基本無料になります。その保険料はビザ取得の際に1年分、金額前払いになります。

GP探しとNHS番号の発行

しかし徴収されたら加入になるのではなく、現地住所が決まり次第、政府のサイトで郵便番号を入力して近所のGP(=General Practitioner、かかりつけ医)を探し、自分で申請してNHS番号を取得しなければなりません。

「NHS番号は早く取得するべき」と聞いていたので渡英早々にこのプロセスを踏んだのですが、ここで、イギリスのすごくイギリスらしい…最終的には何とかなるよう簡素に制度設計されているけど、運用がテキトーすぎる…というやつの洗礼を受けたので、今日はその話を書きます。

GPのWeb評はそもそも高くならない

そもそもGPは保険内で標準治療を提供する機関、つまり、痛みがあるとか怪我したとか明らかな症状に対処するのが前提です。日本のお医者さんみたいに「ちょっと気になって」の愁訴には時間をとってもらえない感じ。

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40代半ばで夫婦はじめての海外暮らし。旦那は一年の私費留学を終え、現地で仕事開始。7歳と4歳で渡英した子供二人はバイリンガルになれるかな?表では書けないニッチな話や個人的な考えも盛り込みつつ、ワンコインで月に20本前後をお届けします。購読中はマガジン内の過去記事(200本以上)もすべて読み放題です。

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