星の藻屑

少し前に、身体と脳と空間と時間から解放されたら、それはもう「人」といえるのか?というnoteを書いた。総務省のムーンショット計画ね。

なんというか、完全に「あんなものにすがって生き延びて何になろう…」(by 大ババさま@ナウシカ)という気分でした。

が。

昨夜、夕ご飯の準備しながら、ヨーヨーが「大昔の生き物」のDVD図鑑をみてるのを聞いてたら、

4億年の昔に海から陸へ進出した最初の脊椎動物の話が出てきて。

魚と四足動物の間みたいなやつで、足跡の化石が残ってるんだそうです。ちなみに諸説あるけど、DVDで”私たちの祖先”として紹介されてたやつはこんなお顔。(ヨーヨーは「かわいい」と言っていた。凄い。)

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我らがご先祖様は、カンブリア爆発(隕石衝突のことではなくて、ミネラル豊富な海の中で現代に続く多様な生物が一度に出揃った現象のことね)でレッドオーシャン(強い・大きい・賢いの色んな奴があらわれて、どの進化系が生き残る?!のガチンコバトルだったらしい)となった海を離れ、新天地である陸に進出した。

「生き残りをかけて」、というと、そこに宇宙戦艦的なすごい覚悟があったかのようだけど、一説には、干潮時に塩溜まりに残った小魚が食べ放題なのでクセになってるうちに耐性がついたとか。

そっちの方が納得できる。進化ってゲンキンなもんだと思う。

何にせよ、その頃の一人(一匹)だったら、わたしは「陸に進出?えっ、ヤダ~、怖い。日焼けするし、乾燥するし、重力つらいし、海にいようよ」て渋った怖がりなやつだったのだろう。

しかし、誰か…食い意地がはってたのか、後先顧みぬあほだったのか、あるいは先見の明のある天才だったやつが陸に行くというパイオニアワークを成し遂げた先に、原生人類がある。二本足で歩き、道具を作り出し、言葉と文字を発達させ、論理的思考を深め、WWWを張り巡らせ、AIとかIoTとか開発して、今に至るのである。

わたしは、母なる海から切り離されて不幸せを感じているだろうか?

否。だってもう何世代も前からこうだから。

そこで冒頭の話に回帰するけど、「リアルからサイバーへ」っていうのも、実は「海から陸へ」みたいなもんなのかもしれない。そうしなければ、もはや人類に未来はないのかもしれない。

そんなことぼんやり考えながらニンジンラぺ作ってたら、スライサーで思いっきり親指の先をすりおろして、ですね。

ギャーとさわぎながら「身体、脳、空間、時間の制約から解放された」ら、こういう痛みと流血に煩わされることもなくなるんだもんなあ、と思いながら、

それを望む?と自問して、

痛いけど、やっぱり否。という自分がいました。

開放って言うと聞こえがいいけど、実質、放棄しなければ生きられないと今選択を迫られたとしたら、私は自分の身体性とともに滅びることを選ぶ気がします。アミノ酸の塊だった太古より、今に続くすべてのご先祖様がそうしてきたように、星の藻屑として消えたいです。

指、痛いけど。

やっぱり、よくわかんないので、とりあえず「Society 5.0」という本を買いました。今から読みます。

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