見出し画像

カズノコのうすかわ

先週末、築地に散歩に行ったら、乾物屋に「松前漬けセット」っていうのが売ってて、セットと言うからには混ぜておくだけとか、そういうイメージで、ぷりぷりのカズノコと一緒に、つい、ノリで買ってしまった。

しかし、週明け案外ドタバタしていて、今宵ようやく説明書を見て驚愕!「こんぶは、鰹と昆布の合わせ出しに漬けておく」「するめは煮切った酒に漬けて一晩置く」「にんじんはザルで乾かしておく」だって。

めんどくさ!

そして極め付けは「ほどよく塩抜きしたカズノコ」。割れてるの買ってきたからそのまま使えるのかと思ってのだけど、どうやるの?

で、ネットで調べて、 (1) 最初に2時間ほど塩水につけて → (2) 薄皮を剥いて → (3) 再度塩水につけて6時間おく。というのが「ほどよく、塩抜き」のステップらしいことがわかった。

めんどくさ!!

で、さきほど深夜にステップ2の薄皮剥きをやったのだけど、これが、最近いろいろ忙しいなか、こんなことやってる自分が信じられないレベルの作業だった。ふやけて白く浮いてきた薄皮、それがヒダヒダの間までついてるのを指先でチマチマこするようにして綺麗にするのだ。最後の5カケに至ってようやく「この向きにこの力加減でやるとスワッと剥ける」という要領を得たが、そっちに集中している間に、同時並行で湯につけていた蜂蜜漬けのためのミニトマトのことをすっかり忘れて、ふにゃふにゃにしてしまった。

でもまだ終わりではない。ここから明日の朝までそれぞれの素材を寝かせて、調味料と混ぜて更に2日ほど冷蔵庫で漬け込んでようやく完成ですと。

めんどくさ!!!

なんとおっとりした料理なんでしょう。わたし、せっかちなのに。もう、自作はこりごり。市販の松前漬け(特にカズノコ)に対するリスペクトが足りてませんでした、ごめんなさい。

思えば、正月となればおせちをフルセットで作る実家では、父とわたしがカズノコ大好きなので、祖母や母が毎年大量のカズノコをつけて「今年は味つけに成功したでしょ」とか聞いてきた。内心、そんな毎年の味の違いなんてわかんないよと思っていたけど、あの量を剥くのは相当大変だったに違いない。やりきった成果をあれこれ聞きたい気持ち、今はわかる。すごくわかるわ。

家族が「オイシィ〜」って食べてくれたらわたしもまた作っちゃうのかもしれない。だって、実は「ミニトマトの湯剥き」も、最初は「こんなチマチマ皮を剥くとか、ありえない」と思ったのに、ヨーヨーが「オイシィ〜」ってニコニコ食べるから、気がつけば定番化してしまってるんだもの。

どんなにおいしくても、自分のためだけに作る気にはならないんだけどね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?