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広告だけではゲームは売れない。伸ばすためにできることがコレだ

今回はゲームの売り上げと広告の相関について書いてみる。

最近はゲームも大作ばかりだし、タイトル数も多いので広告をしないと人が集められないと言った声がある。

また一方では、「ハイパーカジュアル は広告ありきのビジネスモデルのため広告を大量に打って、広告費を賄うだけの広告収益を得ることが大事だ!」なんてことをよくインタビュー記事などで見かけることがある。

しかしながら、それには前提があるということである。先に結論から書いておくが、ゲームサービスと広告においての相関はこのような結果になる。

・広告を大量に使っても売り上げは上がらない

なぜならば、結局ゲームが面白くなかったり、紹介ページが面白く見えなかったり(これ超重要)、レビューの評価が悪ければ、たとえ無料DLでも手が伸びないからである。

場合によっては広告のクリエイティブそのものがイケテいない。そういう結果も十分にありえる。

では我々はどのように広告を活用すべきで、どのようにゲームを成長させていくべきなのだろうか? これについて書いてみたい。

1|広告とはプロダクトありきで行う

まず広告を打つということは提供する商品やサービスがあることが前提である。

通常、広告を打つということ=プロダクト認知度を高めてプロダクトを手にしてもらう。そのプロダクトを利用してもらった結果、収益ポイントにつながる確率を高めていく。

つまり上記の流れを設計してから広告を行うことが一般的なのである。

間違ってもこの一連の導線がないままに広告を打つことや、商品やプロダクトがしっかりとできあがっていないままに広告を打っても流入客は湯水の如く抜けていく。

2|穴の開いたバケツに水は貯まらない

マーケティング市場ではよくこの例えが使われるが、プロダクトが穴だらけの状態で広告を打って流入数を高めたところでその商品の購買につながることはほとんどない。

人が少ないからといってゲームの広告を大量に行ったところで売り上げが上がる保証はどこにもない。これは家庭用ゲームでもスマホゲームでもハイパーカジュアルでも全く同じことが言える。

3|重要なことはまず穴を塞ぐこと

これも1つの例えである。

ここ最近、新進気鋭のスマホアプリがTV CMをやっていたが、間違いなく時期尚早な上に売り上げが微動だにせず数字は悪い結果が出ていた。先にやるべきことは、ゲーム内の改修であり残存率と課金率を高めることへの集中だ。

この感覚や理解がわからないままに広告を打とうというのは、本当にお金をインターネット上に無料譲渡するようなものだ。

それでは次の項目からは具体的にどういう順番や段取りで手をつけていけばいいのかについて話を進めていく、

具体策|流入導線を整理して要素を分解する

流入導線とは、あなたのサービスを購入するまでの流れをフローチャート化するということだ。それによってできることや対策がそれぞれ異なってくる。

流入経路についてはだいたいこうだ。スマホゲームを事例。

A-1広告>A-2紹介ページ>A-3ゲームダウンロード>B-1インストール>B-2チュートリアル>B-3継続プレイ>B-4課金

このフローを1つ1つテストして、最適なデータは何なのか?を個人の思いつきや考えではなくてデータで見ることが重要である。

上の例ではAのゲーム外の部分とBのゲーム内の部分で別れるので、2つのフェーズで同時進行をしてもいいが、やってはいけないのは、A-1とA-2をいっぺんに変更してテストを行うといったことはやめること。

テストはかならず1つの箇所だけの変化量を探ることだ。

例えば私の場合では、広告のクリエイティブを60パターンほど制作して、どの広告が反応がいいのかをテストする。それが絞られてきた後に、紹介ページのパターンを10パターンほど作り、広告データ別にテストを行う。

そうすると、ダウンロードボタンをクリックしたページはどの広告とどの紹介ページの組み合わせがいいのかがわかる。

そこまでわかって初めて広告を少し多めに打ち始める。それぐらい徹底してやることが重要だったりする。

とにかくこの段階で重要なことは、テストフェーズの段階では広告は少額で行うこと。そして思いつきや感性だけで判断しないこと。広告はデータが全て取れる。決めるのは顧客である。


具体策2|いいものだけを残していく

広告の最適化が終わったあとは、同時並行で進めていたゲーム内の改修も急ピッチで進めていく。

ゲーム内の改修も広告テストと一緒で、小さく変えてテストを繰り返す。場合によっては修正したことを戻すこともある。意外とこれをやっているタイトルはないが、ゲームも修正とテストの繰り返しで継続率や課金率を上げていくことができる。

この2つのゲーム外とゲーム内を徹底してテストを行っていい数字が取れるようになってから一気に広告展開を行うことが重要だということだ。

そうしない限りは広告費だけが残り、収益が上がらないままになりかねない。そうならないためにも地道にテストを繰り返して、広告費を使っていきたい。

間違っても「ハイパーカジュアル を作る、大量に広告を使おう、そしたらなんとかなるだろう」という馬鹿なプロデューサーには耳を傾けないで欲しい。


P.S

ここ2ヶ月ほど特定ゲームのサービスにて広告とゲームデータの継続率や課金率のテストをしまくっていた。テストを繰り返した結果、徐々に登録率がアップし、継続率がアップし、課金率も上がってくる。

粘り強くやっていけば仮に売り切り方ゲームでも1〜2ヶ月で5〜10%の売り上げアップは見込め、運営型ゲームであれば母数が大きいほどのその成長率はもっとアップすることが多い。

広告は投下量に合わせて結果が出る速度も早くなるが、改修とテストの速さも迅速に回さないとコストがデカくなりやすいので注意が必要。ただ、改修と調整後に投下する広告効果は想像以上に回収率が高くなる。これもまた事実である。

あとは余談だが、広告をいくらつかっても問題ない!という状態になれば超最強だが、それをやるためにはLTV(顧客障害価値)という算出を行うのだが、これのやり方はまた別の機会に書きたいと思う。

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