nekomaru
昨日かおとといくらいに、どこかの世界で本当にあった、へんな物語です。
またまたひさしぶりにきたのでアール。「ホテル暴風雨」の一室にて地球型フィクションについて研究中なのでアール。http://hotel-bfu.com/nekomaru/
またしても久々にnoteにきた。 ほったらかしたにもそれなりに訳があって、「流れ島流離譚」を加筆修正の上別所で新しく公開することになった。読んでくださっている数少ない方にはこちらで公開しているぶん、今後公開するぶんをどうするか後日ここでお知らせします。
いやー久しぶり。すごく久しぶり。何してたかっていうと、ネットで公開するのに向いてない(かといって何に向いてるんだかさっぱりわからない)長い文章を書いたりしてました。noteなんだか寂しい感じ。。。気のせい?
ひさしぶりに帰ってきました。流れ島流離譚11話と、絵も11枚目になったので「流れ島流離譚イラスト集2」を作り、トリミング前の絵をまとめることに。しかし最後に更新した時長袖着てた気がしますがこの暑さはどうでしょう。夏大好きですけどね。
自分の住む世界のすべてを客観的に見通したければ高いところへのぼればいい。町外れの丘、町で一番高い塔。そんなものがなければ、飛行機に乗るなり、翼をつけてジャンプするなりどうにかして。 確かそんなことを鼻侯爵が言っていた。 「ジャンプするっていうのは、無理があるな」 思わず口に出せば、 「ほほう、飛び降りますか、ここから」 と、とんちんかんな答えをくれるのはもちろんシマナガシで、約束通りお茶を入れてもらい、いつしか語り合っている。 窓の外は笑ってしまうような景色である。
「いっそのことあいつ、焼いて食ってやろうと思うんだ。腹立つから」 「何の話」 「だからあいつだって、シノブ」 人をバーベキューに誘うなり、冬実は物騒なことを言う。 「さすがに丸ごと焼くと気味が悪いし、だいたいみんなにバレちゃうでしょ。まずはバラバラにしないとな。ねえ、手伝ってよ」 「いやだよ」 夏に生まれたのに冬実とは、両親が冬の情緒を愛してつけた名前なのだろうが、やはり生まれた季節は体を表すのか。その名との、しみじみするほどの違和感が、長く付き合っても毎度抜けないのがこ
また少しブランクの空いた「流れ島流離譚」しかしとうとう10話目をアップしました。そして表紙に使うと上下が切れてしまう、本当は縦長に描いたイラストも、「流れ島流離譚イラスト集」に毎回地味に追加。冬の憧れも手伝って書かせたに違いない作中の南の島と、季節が合ってきました。
先導してくれるのかと思いきや、ふかふかした腕をしきりに上下に動かし、「どうぞ、どうぞ」と梯子の上を指す。 シマナガシのことだ、半分くらい登ったところで梯子がぐらぐらゆれるだの、上から蛇のおもちゃが落ちてくるだの、幼稚なからくりを仕込んでいるかもしれない。疑いを込めて湿った目つきでじっと見ていると、 「いやだなあ、変ないたずらなんかしませんよ」 妙に大きく明晰に言い切るのだからますます怪しいが、終いには諦めたらしく、 「しょうがないなあ」と梯子を登り始めた。 ぱたん、ぱ
ゴールデンウイークが終わったと思ったら、ノロウイルス的な何かにしばらくやられて逼塞していた。病院に行かずに済ませてしまったが、後で調べると(もしノロウイルスだとしたら)治療薬はなく対処療法のみ、水を飲んで人にうつさないよう休んでいればよしだとか。ならいいか。皆さんもお気をつけて。
マシンの代替わりと仕事が一段落、またご無沙汰して戻ってきました。 新しいマシンで初めてのテキストノート投稿。ハッシュタグを追加するなど新機能ができていて驚く。 実を言うと古いマシンでは、noteが正式対応していない古いブラウザ(Safari 5)で見ていた。好んでそうしたわけではなく、そのマシンにインストール可能な中では最新版を使っていたのだが、そういうことになっていた。見るぶんには見られるけれど、ノートの投稿や編集ができないので、iPhone用のアプリを無理やりi
長い階段だった。 最初は気づかないほどの兆候だった。 それが、一段一段踏みしめるうちに、何かに足を取られる感覚が、いよいよ強くなる。 階段がやわらかな素材に変化したような、地面がゆっくりと揺れているような。 そのうちに、前を歩くシマナガシの後ろ姿が、自分自身の背中に思えてくる。そしてもう一人の自分が後ろからついてくる。私の背中を見つめるそのもう一人の自分も、後ろから誰かに、また別の自分に見つめられている。暗く、長い道である。後ろにもう一人、さらに後ろにもう一人、列を
少しご無沙汰してしまった。理由は、コンピューターを新しくするあれこれのため。15年働いたディスプレイが突然壊れた。7年働いた愛機本体もそろそろやばかったので、借り物のディスプレイを繋いでバックアップをとり、隠居して予備機に。愛機に名前つけたりして愛着を持つたちなので、しみじみ。
様々の蔦の葉で彩られた門をくぐるなり、シマナガシが振り向くと、右手を胸のあたりに当て、両膝を軽く曲げながら言った。 「ようこそ」 溢れんばかりの既視感に包まれる。そのバレエの王子か道化者のようなポーズといい、その台詞といい。 「次の世界へ、ですか?」 いよいよこいつも鼻侯爵と同じ「ある種の装置」に違いないぞという確信に武者震いまでしながら尋ねると、シマナガシはぽかんとしている。 「また変なこと言って。ようこそ、ときたら、私の家へ、に決まってるじゃないですか」そしてむやみ
「新居は階段を千段上る」 Fからの新しいメールにはそう書いてあった。 引っ越すことになりそうだとは聞いていたが、千段というのは普通じゃない。もっとも、普通のメールなんか、来ないのはわかっているのだけれど。 「見晴らしがとてもいいので送ろう」 見晴らしがいいというのか、何というのか。送られてきたのは、画面いっぱい、青い絵の具で塗ったような空が切り取られた写真だった。 私は神社で拾ったそれをベリホと呼んでいる。名づけたのは、友達の弥生だ。スマートフ
坂の勾配を感じなくなってきていた。 実際に平らな道なのか、感覚が麻痺してきたのかには確信が持てない。 見たことのない木ばかりで構成された森が続く。せり出してくる枝をシマナガシが時々器用に避け、時々片手でぽきりと折りながら足早に先を行く。どうにかついてゆくあいだにも、しばしば大きな葉の端が顔や腕を撫でたり、引っ掻いたりする。それがいかにも野放図で遠慮のない熱帯植物らしい流儀に感じられるのは決して不快なばかりではないが、不慣れな私はその度にちょっとした疎外感で縮こまって自分