見出し画像

またのご利用をおまちしております

 159円。先月の利益が確定したとLINEから自動メッセージが届いた。3年ほど前につくったLINEスタンプの売上金だ。これを見て、少し驚いた。

 LINEスタンプは大体100円程度で買うわけだが、売上の仕組みとしてはLINEとAppStoreと製作者の三者で約3分の1ずつ分け合うような形となる。つまり、1人に買ってもらえると大体30円ほど製作者の手元に入る仕組みとなる。つまり先月、5人くらい僕のスタンプを買ってくれたらしい。金額も人数もほんのわずかだが、3年経ってもまだ5人も買ってくれる人がいたのか。お小遣いにもならない額であることはわかりきっていたので、すっかり売上をチェックしていなかったが、実はここ数ヶ月は毎月このくらいの売上が入っていたらしい。

 LINEスタンプをつくっていた時はスタンプを描くのが楽しくて仕方がなかったのに、今はどうにも描く気が起きない。喪失するほどのクリエイティビティは初めから持ち合わせていないが、まあそんな感じなのである。これは社会人は会社でそこそこ上手くやっていれば月に一度お金が入ってきて、短いスパンでみればとりあえずなんの問題もなく生きられてしまうのがいけないと思う。学生の頃は将来こんなスキルがいるかもしれないと勝手に思って勉強したり、最低限面白い人間でありたいと思って足掻いたりしていたが、会社では(今の自分の立場でいうと)売上が上がっていれば評価される。スタンプなんて描く必要はどこにもない。どこにもないのだけど、今週は疲れたからいっか、の積み重ねをしているうちに描きたいという気持ちもきっとなくなっていくだろう。

 社会人になってから2年。それまでは何とも思っていなかったのに、3年目というのはやはり節目なのか、最近はなんだか何もしていないことに妙に焦る。それでもやっぱりなけなしのクリエイティビティ(笑)は戻ってきてくれず、スタンプの案は浮かばない。それならせめて絵を描く練習でもしてみようかと思い、小学校のお絵描き掲示板(黒歴史)ぶりに絵を描いてみる。あの頃はいろんな漫画やゲームにハマっていたけど、今は絵を描きたいほど御執心なコンテンツがヒプノシスマイクしかないので、練習の題材が全部ヒプマイになっている。pixivで同じ絵を描き続けているやべーアカウントの気持ちが少しわかった。カメラを持ち出す機会もめっきりなくなってしまったので、それならせめて大学のときに練習した文章くらいは書こうとわざわざ火曜日の深夜に鬱屈とした文を書いている。文章は一晩寝かせて見直してから提出しろとよく言われたが、朝になったらきっと全部消してしまうので、noteは書き終わった瞬間に投稿する。これも5人くらいが読んでくれるかなと思いながら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?