![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/34145872/rectangle_large_type_2_a54d740fb4010c317afbbc37ac6d914a.jpeg?width=800)
三島由紀夫の「正義論」(『文化防衛論』より)
『文化防衛論』の中で三島が、核兵器への対等手段の1つとして「世論」を挙げている。世論の特徴は「正義量に支配される」ことで、行動を起こす人間が弱者であるほど、高い正義量を発揮することができる。
男よりも女。女よりも子供。世論は女子供の理論に支配されることになる。弱者の行動が強者をひっくり返す。
トゥーンベリさんのスピーチにしても、香港のデモにしても、"弱者"である若者が矢面に立つからこそ共感されるのだと三島の説明を聞いて理解できた。SNSで弱者の声がバズりやすいのも、それが高い正義量を獲得できるからだろう。
いったい何が正義なのかという問題になりますと、核兵器から遠いものほど正義になっているんですな。力が弱ければ正義量が増すんですから。男よりも女の方が正義なんだ。女は男より弱いですからね。子供は女より弱いですから、子供は女よりも正義量が高いんですね。そうすると、世論を支配するものは、いつも正義量の高いものだから、女子供の理論で支配される。
(文化防衛論/三島由紀夫)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?