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先日、介護職員初任者研修を修了しました。

私は日本語教師なので介護士になる予定はないのですが、いずれ「介護の日本語」を外国人に教える日のために勉強しておこうと思ったのです。少子高齢化が進むにつれ外国人の方に頼らなければ介護業界は破綻するところまできていますから…それに、家族や自分自身も、皆いつかは通る道ですよね。「人生の勉強になるから」と、日本語教師の大先輩である ひろさん に
勧められ、受講しました。

とてもたくさんの学びがありました。そして素晴らしい先生方と出会いました。そこで聞いたお話の中でも特に心に残っているものがあります。

頭の中の“引き出し“の話です。

赤ちゃんは頭の中に小さい引き出しを持っていて、お母さんはそこに
色んなものをドンドン詰めていってあげます。

一方、認知症の症状が出てきた人もやはり、頭の中に引き出しがあって
そこには、それまでの人生で積み重ねた経験や知識がタップリ入っているのだそうです。
でも、出したいものがどこに入ってるのか
わからなくなる…💧

既にパンパンに入っているのですから
無理に入れようとしても
(つまり、周囲の人がなにかを教えようとしても)
反発するだけ。

だから…
介護士の役目は
引き出しを開けてあげること。

知らないことを教えるのではなく、
本人の代わりにやってあげるのではなく、
ただ、引き出しを開けてあげる。

そして、そのための魔法のワードがある、というのです。
何だと思いますか?

それは
「教えてください」

です。

「若い頃は太宰が好きでねぇ…」
「へぇ、あまり読んだことがなくて…。
ちょっと教えてください」
という具合に。

これ、介護士さんじゃなくても使えますよね❣️
そして、どんな相手にも有効な魔法の言葉じゃないでしょうか。
教えて、と言われて嫌な気分になる人はあまりいないと思います。

私は母方の祖母が認知症になったとき、
会うごとに私との記憶が薄れていくのがショックでした。そして、若かったということもありますが、どう声掛けをしていいのか困ることがよくありました。でも今なら祖母の喜ぶような声掛けがもっとできたなぁと思います。
せっかく研修で与えてもらったものを
これからの自分と家族の生活に活かしていけたら良いな。

ことばって、
誰にでも平等で、
1番身近で
1番たいせつなもの。
じゃないかなぁ…

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