イギリス暴動 騒ぎの背景
イギリスの子供たちの夏休みが始まり、皆が楽しい時を過ごすはずの夏。
そんな楽しい雰囲気が、一気に悲しみに変わってしまいました。
イギリス北西部のサウスポート。
海沿いの小さな田舎で事件は起こりました。
17歳の少年が子供のダンス教室に忍び込み、ナイフにより攻撃。その攻撃で、3人の少女が死亡。その他の子供8人、大人2人もケガ。
その事件も衝撃的ながら、この事件を使い、右翼の大物たちが、「犯人はボートに乗ってイギリスに不法入国したイスラム教徒」という偽情報をX上で流し、炎上。
その情報にあおられた極右思想の人々が暴徒となり、各地で騒ぎを起こし始めており、いまだ収束していません。
犯人は、Axel Rudakubanaという17歳(事件同時)の青年で、BBCのプロモーション・ビデオにも出演したほどの、ミュージカル好きのイギリス国籍を持つ人物です。両親がルワンダ出身であることから、キリスト教の背景を持つと考えられ、おそらくイスラム教徒ではありません。
偽情報は、事件の報道直後から広がっており、暴動をあおる組織的なニオイがしました。
暴力をあおっているのが、英国の極右活動家トミー・ロビンソン氏(本名スティーブン・ヤックスリー・レノン)、女性蔑視のインフルエンサーであるアンドリュー・テイト氏。
彼らは、ツイッター時代にはアカウントを持てなかった、強烈な個性のキケン思想を持つ方々です。イーロン・マスク氏が、X上に彼らを復活させたので、大変な騒ぎの原因になりました。
「自由」とは本当に扱いが難しいものですね。
17歳の青年による殺傷事件。右翼の大物の情報操作。その後の暴動。そして、今、イスラエルとイランが全面対決の戦争をしようとしている事―その背後の世界の金持ちたちー私の中で、全てが一本の線でつながり、皆様と情報をシェアしたいと思いました。
どうつながったのか・・・。以下時間軸でまとめてみます。
事の始まり
イギリスは7月の総選挙により、労働党の圧勝。政権を取った労働党は、14年の保守党政治により、壊れかかった国を再建しようと、これまでの財政見直しを始めています。
その中で、「パンドラの箱」ともいえる、金持ちの税金見直しを考え始めました。
仮に1%の税金を取るとしましょう。
10億円持っている人からは1千万取れますが、10万の1%はたったの千円です。1万人の貧乏人から、お金をかけて1千万集めるよりも、金持ち一人から1千万取った方が、手間もかからず手っ取り早いですしね。
しかし、保守党は金持ち優遇政党でしたから、長い事、金持ちの税には手を触れないで来ました。
ところが労働党は、保守党が怖くて着手出来なかった所にメスを入れる事を考え始めています。
金持ち層に対する「相続税とキャピタルゲイン税の改正」です。金持ちはあの手この手で“節税”をしており、たくさんの逃げ道を使い、上手に税金逃れをしています。金持ちへの税金是正については、ガーディアン紙独自取材、大学やシンクタンクからの提案もありました。
その報道の後に、一連の事件が始って行きます。
7/25(木)ガーディアン紙の潜入捜査
ガーディアン紙の潜入捜査により、「超富裕層は、年金投資の抜け穴を利用し、労働党による大規模な脱税取り締まりから富を守るようアドバイスを受けている」と報じられます。
7/26(金)財務大臣のレイチェル・リーブス氏の反応
新財務大臣のレイチェル・リーブス氏は、この報道を受け、穴を埋める手段として、一連の富裕税引き上げを示唆するだろうとの憶測が高まりました。
7/28(日)シンクタンクResolution Foundation 財団の発表
さらにシンクタンクResolution Foundation 財団からも、相続税とキャピタルゲイン税の、富裕層への課税見当を提案されます。
そして事件がスタート・・・
7/29(月)午前中 サウスポートの事件
イギリス北西部のサウスポート。
17歳の少年が子供のダンス教室に忍び込み、ナイフにより攻撃。
3人の少女が死亡。そのほかの子供8人、大人2人もケガ。
イギリスの少年法により、当初は犯人の名前は発表されませんでした。
同日 午後 犯人の憶測がX上で炎上
事件の報道直後に、犯人の憶測がX上で炎上。容疑者がイスラム教徒、移民、難民、外国人だとの情報が流れ、右翼的な思想を刺激。
英国の極右活動家トミー・ロビンソン氏(本名スティーブン・ヤックスリー・レノン)、女性蔑視のインフルエンサーであるアンドリュー・テイト氏などが、X上で人々の感情をあおるようなポスト
7/30(火)暴徒スタート
少女3人が殺害されてからわずか36時間しか経っていず、人々がまだ悲しみに暮れる中。数百人の暴徒が、海辺の町サウスポートに押し寄せます。残虐な事件の現場から、歩いてすぐのモスクを標的とした衝突で、50人以上の警察官が負傷。
7/31(水)暴動は各地に広がり
暴動はロンドン、マンチェスターなど各地に広がりました。
事の大きさを配慮した警察が、犯人の身元を公表。
その後の暴動
8/1(木)
暴徒は一端落ち着き。
8/2(金)
リバプール、サンドランドに暴動。
8/3(土)
反移民のグループと、それに反対するグループが衝突。
ブリストルやベルファストなど、さらに暴力が広がります。
8/4(日)
暴徒らはサウス・ヨークシャーの町ロザラムで亡命希望者を収容しているホテルに放火しようとし、警官を襲撃。また、スタッフォードシャーのタムワースでは、ホリデー・イン・エクスプレス・ホテルでも同様の事件。
暴徒は全体で数千人規模。過激なために、被害がとても大きいです。レンガを投げつけ、火をつけ、対象を特定せずにランダムに暴力を振るい、一部盗難もあるようです。すでに約400人が逮捕されています。
そしてまだ収まっていません。
非常に重要な視点を与えてくれたポスト
X上で過激な右翼思想が渦巻く中、人々に落ち着くように訴えるポストもありました。それらをご紹介いたします。
まとめ
暴動の1週間前から、金持ちに対する税制改革を、労働党が発表するのではないかとの憶測が流れていました。
そして、17歳(事件当時)の少年によるダンス教室襲撃犯罪。
犯罪が発表された直後から、極右の大物たちによる「偽情報」の拡散。
その偽情報にあおられ、全英各地での暴動。
インボー論の粋を出ませんが、イスラエルの関与を指摘する、X上のポストもありました。
私の中では、これらが一つにまとまったのです。
金持ちの税制改革→面白くない金持ちが→イスラエル人脈を使い→右翼の大物に偽情報を流させ→暴力をあおり(または組織)→労働党をいじめる
という構図だったのではないでしょうか?
これはあくまで、私の推測です。
しかし、この一連の出来事により、これまで推測の域を出なかった事が、私の中では確信に変わった事があります。
シオニズム≠ユダヤ人
現イスラエル国家≠ユダヤ人国家
であり、その後ろには、さらに世界の金持ちがくっついていたのだと。
暴力=極右=ナチ=イスラエル=シオニズム=世界の金持ち
私たちに出来ることは、現在“野放し”状態の、X上の思想のコントロールに、厳重に注意することです。
また、「バイアス」の思考方法はとても大切です。全ての情報に、発行者のバイアスがかかります。もちろん、私の書いている物も含めてです。
「大衆の分断」ー世界の支配者は常にそれを狙います。一般大衆が憎しみ合えば、それが支配者にとっての立場の安定につながるからです。
その視点を絶対に忘れずに、ご自身でしっかりと情報を把握し、これからの混乱期に備えていただきたいと思いました。
追加情報がありましたら、また皆様に引き続きご報告したいと思います。
暴動の早急な収束を願い、事件の悲しみを共有し、被害者とそのご家族の方々のためにお祈りいたします。