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イギリスの小学校のスポーツデイってこんな感じです。日本の運動会とどう違うか?

お父さんです。

このブログは地元の公立中高で学び、地方大学を卒業した庶民派お父さんがひょんなことから子供二人の都内私立小学校受験を経て、またまたひょんなことで子供たちがイギリスのボーディングスクールに合格するまでの道のりを綴っています。

今回の記事について                                      
今回の記事は、イギリス小学校の運動会(Sports Day)について書きます。日本とは違って校庭が広いので家族が見る場所取りの殺伐さは無い一方で、大らかというか、リラックスした雰囲気でのイベント的な位置付けのこのSports Day。親の飛び入り参加もありながらの楽しい一日です。皆さんの参考になれば嬉しいです。


本日はスポーツデイについて書きたいと思います。
日本ではいわゆる運動会に当たるものですが、1年に1度、学校のグラウンドで開催されます。学校のグラウンドと言っても我が家の子供たちが通っていた学校は少しロンドンから離れた郊外にあり校庭は広大(フルサイズのサッカーコートが5‐6面くらいアリ)なので「あれ、どこのグラウンドでやるんだろう」という感じです。郊外の良さです。

運動会の仕組みとしては、日本のようにチーム対抗でやるパターンです。
日本では、たとえば赤組と白組に分かれるパターンなどが多いと思いますが、イギリスではHouse(ハウス)という学校内の学年に関係なく縦割りのグループ分けがあり、Year1からYear8の子供たちが、それぞれのHouse(ハウス)に分かれて色々な競技の結果の点数を競う対抗試合形式です。

ここでHouse(ハウス)について少し解説しておきたいと思います。少し耳慣れない言葉だと思いますが、学校内で全学年を縦に分けたグループ分けです。元々はボーディングスクールの寮(House)ごとにチームを分けたものだそうですが、普通の小学校(公立でも私立でも)にも導入されているイギリスでは非常に一般的なものだそうです。これは性別・年齢関係なく縦割りで、例えば同じクラス内でも4つくらいのHouseに分かれています。我が家の子供たちも別々のHouseに分かれていました。

分かりやすい例えだと映画のハリーポッターでは、このハウス分けが
①グリフィンドール(Gryffindor)、
②ハッフルパフ(Hufflepuff)、
③レイブンクロー(Ravenclaw)、
③スリザリン(Slytherin)
に分かれていたのと言えば分かりやすいでしょうか。

ハリーポッターのハウス一覧。左がシンボルマークです。


スポーツディだけでなく、学業でもハウス対抗になっていて、自分の帰属先をこのハウスとして、子供たちも対抗意識をバリバリ燃やしてポイント争いをしています。ちなみに我が家の子供たちが通っていた学校のハウスの名前はハリーポッターのようにカッコよくなくて、もっと普通の名前でした。


さてスポーツデイに話を戻しますが、スポーツデイ=運動会と聞いて私が一番先に頭に思い浮かべたのは、「場所取りをどうするか」でした。日本の学校でも、どれだけ良い場所取りができるかで運動会での満足度が 100パーセント変わるのかを熟知していた私ですので、やはり朝5時起きはやむを得ないのではないかと静かな決意を固めていました。そして私の数少ないパパ友に「スポーツデイはやっぱり早めに行って場所取りした方が良い?」と聞いたところ、かなりキョトンとされ「いや子供たちと一緒に来るので十分じゃない? もしくは子供よりゆっくり来ても良いと思うよ」と返されました。

まさかこのパパ友は、自分の場所取りを優先するがあまり、私の事をハメようとしているのではないかと勘ぐりつつ、そうなのかと一旦納得し当日を迎えました。とはいえ、やはり日本の運動会の時の意識のままで、30分ほど当日早めに家を出た我が家ですが、行ってみてパパ友の言っていたことがようやく分かりました。イギリスの学校のグラウンドは広い!のです。『いやいや何回も学校に行ってるんだから知ってるでしょ』という感じですが、改めて日本の比ではありません。綺麗な芝生が映えるフルサイズのサッカーグラウンド×5-6面くらい(本当です)のスペースの一部を使ってやるので、保護者が座るスペースには困りません。しかもグラウンドの周りの部分が少し(1-2メートル)盛り上がっているため、少し高めの視点からみられる構造になっており、その途中の斜面的なスペースに思い思いに座ったり(芝生)、上段の平らなところに折りたたみイスとテーブルを持ち込んでみたりとかなり自由な感じです。

私の日本の運動会の記憶だと、学校へは朝6時から並びつつ、「1家族あたり敷物は1枚だけ。早朝から並ぶのは近隣に迷惑になるので止めましょう。ビデオカメラの三脚もNG!」という厳格なルールのもと、みんなで譲り合って座りましょうという不文律に従ってというイメージでしたので、この圧倒的な違いにまず驚きました。次に驚いたのは、お酒を持ち込んでワインを優雅に飲みながら完全ピクニック気分での観戦スタイルです。他のファミリー(親)もファッションも含めて完全にリゾートに来た感じのリラックススタイルで、ほぼ全てのご家庭が、コーヒーや紅茶だけでなく、シャンパン的なお酒と、フルーツとピクニックセットみたいなヤツを持ち込んで、それを飲みながら「頑張れー」と声援を送っており、あぁイギリス人はやはり素の状態で貴族なのだと感心したのを覚えています。というか生活が豊かだなぁと思いました。

Sports dayの様子

そうしてリレーや走高跳とかの陸上競技を応援しつつ、ランチの時間になると子供たちはそれぞれの家族のもとに来て、一緒にランチを食べる流れは日本の運動会と一緒です。日本の庶民出身である我が家は、お酒も持ってきておらず(妻は周りをみて後悔していました)、日本の伝統にしたがって
おむすび(梅と鮭)とおかず(卵焼き、鶏肉など)を用意してお弁当を持っていきました。我が家のスペースに戻って来た子供達と一緒にお弁当を食べていると、少し離れた両隣のイギリスの白人家族から「何だろう、あれ?」と興味深そうな感じで見られているのに気付きまして、「食べる?」とお握りを1つあげました。

お弁当

黒い海苔で巻いたお握りはビジュアルのインパクトがかなりあったようで、どちらかというと「何あれ?」と不思議そうな感じで捉えていた感じでしたが、恐る恐るサケのおむすびを食べたイギリス人の子供が「美味しい!」と予想外にかなりのポジティブな食いつきを見せ、そこからバクバクとあっという間にお握りを完食し、日本の誇るおにぎりの実力を垣間見たランチタイムでした。ちなみにおむすびは、英語で「Rice ball」と言います。最近日本に来る外国人観光客(欧米の方々)が、おむすびにハマるという記事を読んだのですがそれにはかなり実感を持って頷ける出来事でした。

スポーツデイも、午後になるとかなりイベント色の濃い競技が出てきて、いわゆる障害物競争やハウス対抗のリレーなどチームで盛り上がる定番の競技が満載でした。あとは親だけの100メートル走(その場で参加者を募集)などもかなりの盛り上がりを見せます。これは亡きダイアナ妃が、その昔にウィリアム王子の運動会で走った映像が残っていますし、最近でもウィリアム王子の奥様のキャサリン妃も、子供の運動会で何かの競技に飛び入り参加するのがニュースになっていましたので、そのイメージがある方もいらっしゃるかもしれません。とにかくイギリスの学校のスポーツデイはかなり楽しくイベント色の濃い、とてもリラックスできる一日です。

30年以上前、ウィリアム王子のSports Dayでのダイアナ妃の走り


最近のキャサリン妃の飛び入り参加


おかげで、我が家も子供達の親御さんと知り合いになる事ができたり、普段知る事が少ない先生や子供たちが頑張っている一面を見る事ができて、とても良い一日でした。

今回も長々と書いてしまいましたが、読んでいただきありがとうございます。皆さんの参考になれば嬉しいです。

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