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プレップスクール(Prep School)って、そもそも何? パブリックスクール(中学/高校)への進学準備でプレップスクールがサポートしてくれることについて。

割引あり

お父さんです。

このブログは地元の公立中高で学び、地方大学を卒業した庶民派お父さんがひょんなことから子供二人の都内私立小学校受験を経て、またまたひょんなことで子供たちがイギリスのボーディングスクールに合格するまでの道のりを綴っています。

今回の記事について                                      
今回の記事は、プレップスクール(Prep School)についてです。正確にはPreparatory Schoolと表記されます。シニアスクール、特にパブリックスクールへの進学に向けた準備を行う小学校です(13歳まで)。今回の記事ではイギリスのプレップスクールについて書きますが、その概要から具体的なサポートや学習内容について皆さんの参考になれば嬉しいです。


プレップスクール(Prep School )という言葉をご存じでしょうか。PrepはPreparatoryの略で、Preparatory の意味は「準備」 です。これはざっくり言うと、パブリックスクールなど私立の中学・高校に行くための準備をする小学校です。

我が家がイギリスに住んでいたときに子供たちが通っていた学校は、たまたまプレップスクールでした。当然ながら狙って入学した訳ではありません。入学してから1年ちょっとくらい経った時に初めて知りました。

Wikipediaによると、8歳から13歳までの6年間(日本で言う小学校です)を使って、次の中高にあたるパブリックスクール(私立の学校)に入学するための準備をするための学校(小学校)という位置付けです。具体的にはイギリスに約500校程度あるようで、合計13万人が通っているとの事。ボーディング(寄宿)タイプの学校もありますし、普通に通うタイプもあります。我が家の子供たちが通っていた学校は普通の小学校と同じ「通い」のタイプでした。

このプレップスクールが他の小学校と何が違うのかと言うと、最も大きな違いは、
「シニアスクールへの進学に向けたサポートを提供するか否か」
だと思います。具体的には以下の3点で、

①各シニアスクール(実質、私立の中高一貫校)の試験時に実施するテストのサポート

②コモンエントランスと呼ばれる小学校(プレップスクール)卒業時に受けるテストのサポート(ある一定レベルに店数が達していないとシニアスクールへの入学資格が得られない。ただ落第している生徒は我が家の周りでは見た事がありません)

③子供にどんなシニアスクールが合っているかのアドバイス

順番に詳しく書きます。

①各シニアスクール(実質、私立の中高一貫校)の試験時に実施する○○テストのサポート

こちらについては、各シニアスクール(パブリックスクール)校が実施する入学テスト(学校ごとの独自テスト or ISEBのような共通テスト)がありますが、こちらの準備をサポートしてくれるというものです。とはいえ、学校で具体的にこのテストに向けて何らかの特別授業をしてくれる訳ではなく、アドバイスをくれる程度です(少なくとも我が家が通っていた学校はそうでした)。我が家の場合でも「英語がちょっとまだ弱いから頑張ってね」とか、「このオンライン教材を家でやっておいてね」程度のメールと、別記事で書いたペアレンツカンファレンスで先生からアドバイスをもらう程度で、「学校のサポートはこんなものなのか?」と逆に少し驚きました。

ちなみにイギリスのシニアスクール受験ですが、日本の中学受験とは子供にかかる負担やストレス、熾烈さにおいて大きく違うと断言できます。具体的には勉強量やシニアスクールに向けた受験のために費やす時間です。日本の場合は小学校3-4年の時から塾(サピックスとか早稲田アカデミーとか日能研など)に通って、6年生の時には平日に加えて、週末も塾にしっかり通って準備をすると思いますが、イギリスではそんな事はありません。それよりも「不必要にシニアスクールへの準備のためだけに勉強をさせるのは辞めてください」とメールが来るくらいです(実話)。それよりも本人の負担にならない範囲で、本人がそれまでに学んだ事、培ってきた事をベースにして試験を受けましょうというスタンスが貫かれています。これを読んでくださっている皆さんは、「え、何それ?」となんとなく納得いかないと思いますが、本当です。正直言って私も拍子抜けしましたが、現時点で何となく腹落ちしているのは

「本人のその時点でのキャパシティを超えて、シニアスクールへの合格だけをゴールにするのは間違っている。仮に合格しても、授業に付いていけず本人がハッピーにならない可能性も高くなるし、無理なゴール設定をする事自体が間違っている」という事です。

また「普段からの準備というか過ごし方が大切」というのを徹底しているのが印象に残っています。

なぜそういう事になるのかというと、パブリックスクール(シニアスクール)を受験する際に考課されることが、いわゆるペーパーテストの結果だけでは無いと言う事があると思います。テスト以外にもスポーツだったり、普段の学校生活・学習態度を反映した学校からの推薦レターだったり評価の項目が多面的なので、ペーパーだけに過剰に時間を使うのは辞めようというのは心の底から徹底している感じがします。

我が家は、小学校受験の時の反省というか振り返りから、「勉強だけをガリガリやるのはあまり意味が無いね」という事を夫婦で話し合っていたのと、せっかくイギリスにいるのだからイギリスでしかできない経験をたくさんやろうという方針を決めていたので、スポーツやドラマ(演劇)の活動などを思い切り子供にはさせるようにしていました(そのせいで土日はほぼスポーツ漬け。。)

その意味では、我が家では学校から言われたことをそのまま体現していた感じだと思います。少なくともよく聞く日本の中学受験のような熾烈さというかストイックさは子供にも親にも無かったと思いますし、比較的試験の直前でも、もちろん緊張感はそれなりにあったものの、最低限のリラックスムードはありました。当然ながら数年前に我が家が経験した小学校受験のようなストレスも当時の10分の1以下くらいでした(もっと低かったかもしれません)。

誤解を恐れずに言うと、私たち日本人(子供含む)から見ると、いわゆる東京など都市部の苛烈な中学受験に比べると、イギリスのパブリックスクール(シニアスクール)への受験は「あれ意外と思ったよりも簡単じゃない?」と多くの人に思われると思います。そして合格の可能性も現実的なレベルで高いと思います。

ここからは約4,500文字に渡って具体的な構造や整理を書かせて頂きます。ぜひ続きをご覧ください。

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