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コンセプトがマルチバースすぎる涙

最近Tomorrow X Together(以下TXT)のコンセプトが知りたくて、というかその前にBTSのコンセプトが知りたくて少しあさっていたんですが、なんせ歴史が長くて、とにかくマーベルユニバースと同じだなって挫折したんですよね。パッと読んだだけで理解できる訳がないんです。
その後、TXTのとても熱量のこもった記事を読ませていただいて、
やっぱり韓国アイドルのコンセプトって半端ねぇなって再確認したんです。
よくYoutubeでも考察とか解説をしてますよね、私みたいになんも考えずに
は~かわい。とか思いながら見てるだけのオタクとはレベチな訳ですよ。

以前からイアンがミュージックビデオの解説をちらっとする時、
ここで全部を言うつもりはないけど、全て意味があるんだ。
感じてほしいから敢えて細かく言わない。
でも(考察してる人のSNSか何かを見ているらしく)どうして彼らは知ってるんだろうと思う。すごいよ。とか言ってるんですよ。
私はDPRって韓国アイドルだとは思ってないんですけど、彼のコンセプトを練り上げている作業はKpopみたいです。アイドル以外のジャンルでも、コンセプトっていうのはあるとは思います。今回のコンセプトは~なんてよく聞く話しですし、作品ごとのコンセプトくらいはあるはずです。でもアイドルみたいに大まかなコンセプトがあって、それに沿いながら各アルバムワークを展開させていくっていうのは韓国アイドル独特のような気がします。

とはいえ、彼の芸術作品は10年(幼少のイアンも含めたら20年以上)近くかけて取り組んできたものなので、それを他人の私がすぐに理解できるか、音楽や映像を通して理解させられるかって、発信する側にとってものすごく大変な事ですよね。隅から隅まで理解する必要はないし、世界観が好き。ヴィジュアルがすき。とかでも全然いいと思う。
ストーリーが繋がっているとか、ここがこういう意味があるんだろうって薄々気づきながら、でもそんなに細かく掘らなかったし書きませんでした。
なので薄っぺらい内容でしたね。でも掘ってみた。
よろしかったらお付き合いください。
※主観もだいぶ入っています


イアンの中にあるこの壮大な物語の構想を基にしたコンセプトにはいくつものキーワードがあります。それはミュージックビデオに繰り返し使われる表現だったり、そのまま言葉もあります。

キーワード:The Other Side, green, pink, red, purple, blue, gold, keyなど。
表現:モノクロ、左目、涙、傷跡、義眼、稲妻、鏡、銃声、煙のモヤ、
ストリングス、口笛、狼の遠吠え、蝶、月(満ちから欠けまで)、
妖精のような光る虫(以下妖精)、カラス、キラキラのスパンコールなど。

今回取り上げるEP Dear Insanity…は、MITO1, MITO2の次の作品3枚目。
MITOのストーリーから離れたサイドストーリーで、The Other Sideへの長い冒険になります。曲順は、
1 Famous Last Words
2 Welcome To The Other Side
3 Don't Go Insane
4 Bad Cold
5 So I Danced
6 Peanut Butter & Tears
7 Violet Crazy
となり、ミュージックビデオの公開順だと、
1 Peanut Butter & Tears
2 So I Danced
3 Don't Go Insane
4 Don't Go Insane (OFFICIAL TEASER)
5 Violet Crazy (Official Visualizer)
6 Bad Cold (Official Visualizer)
7 Welcome To The Other Side (Official Visualizer)
8 Famous Last Words (Official Visualizer)
となっています。


MITO

マイト。イアンの双極性障害1型の障害からくる解離性の人格で、イアンの鬱の状態やいろんな嫌な事から自分の身を守る為に小さい頃から存在しています。多くのトラウマを引き受けてくれたのでイアンにとってのヒーローで守護者(Gardian)です。イアン的には解離した人格というよりかはそういう状態を擬人化したキャラクターという考えの方が強いみたい。
またこのコンセプトでは、物語(世界観)を創造したピエロの神によって
一番最初に創造されましたが、その後創造された者達に嫉妬し、神の愛を独占できずに堕天してしまった。という設定です。
彼は左目を失明していて、ヴィジュアルでは左目に白いコンタクトをしています。声がイアンよりだいぶ低く(わかりやすく加工されたりする)、情景はモノクロがほとんどです。

Mr.Insanity

ミスターインサニティ。イアンの躁の状態をキャラクター化したものです。
MITOもはじめ名前もない人格でしたが、彼をキャラクター化するにあたって名前を付けました。そして鬱の反対側にある躁は、症例でいうと病的に気分が高揚して眠れなくなります。何をするかわからないくらい狂っているので、ある意味一番危険かもしれません。だからMITOが彼の暴走を止めようとしているんでしょう。
MITOを知る為には反対側も知る必要があり、その状態に名前を付けました。
彼はピエロの見た目です。この物語の宇宙(The Universe)を創造した神もピエロの神で、Mr.Insanityは神を模したキャラになります。
そして彼が完全に狂気に陥ると、狂気の力に屈し全盲になります。
彼は自分が宇宙そのものだと信じています。ジャケットを脱ぐと体が光を放って見えるのはその為です。

The Other Side

イアンの意識の世界にある宇宙で、夢を見る事でしかアクセスできません。イアンは小さい頃から明晰夢を見ていて、夢をコントロールして内容をよく覚えていました。そして夢は連続性のある内容ばかりで、たくさんのドアがあり鍵を開けて通るのですが、何度もドアを通り抜けていると奇妙な場所にも行きつきます。そして間違ったドアを通れば悪夢になります。
明晰夢で夢を見る時間が長ければ長いほど現実を把握できなくなる傾向があり、この事から、この世界に滞在すればするほど、どんどん自分を失ってしまうという場所になったのです。
また、彼の深層意識にはMITOが住んでいます。なので"No Blueberryies"でも
Welcome to the other sideと言ってるし、"So I Danced"のエメラルドシティの街のボスは彼なのです。

この"Dear Insanity..."は、イアンが自分を失って旅をしている内容です。もう戻れないかもしれないと覚悟を決めて自分の奥深くへ進んでいきます。
ここにはいくつもの意識の層があり、層から層へ移るのには鍵のかかった扉があり、扉を開けるには必ず鍵を使わなくてはいけないので、
3曲目Don’t Go Insane (Official Teaser)でも鍵を探し、

キャリコゴーストタウンから逃げてきたイアンとグリーンが
やっと見つけた次の層へ入る扉には、鍵がかかってます

5曲目"So I Danced"では既に3個の鍵を手にしていますがまだ残りの鍵を探しています。

CDの曲順でいうと、
1 Famous Last WordsでイアンはThe OtherSideに吸い込まれ、
2 Welcome To The Other Sideではちょうどこの世界に到着した所。
3 Don't Go Insaneの扉を鍵で開け(1個目)、
4 Bad Coldの扉を鍵で開け(2個目)、
5 So I Dancedの扉を鍵で開けて街で大暴れしているわけです(3個目)。

次のアルバムに入るとイアンがアナウンスしていた"SKINS""LIMBO"の、
"LIMBO"ミュージックビデオでも腰に鍵がぶら下がっているのが見えるので、ここに来るのに新たに見つけた鍵なのでしょう。

鍵を開けて扉を通り抜ければ抜けるほど、狂っていきます。


2曲目のWelcome To The Other Sideでは、この世界に住む様々な生き物の声が聞こえます。
わかりやすいのだと狼の遠吠えですよね。他の曲にも使われている表現です。鳥の鳴き声(カラスっぽくないけどカラスかも)とか。
具体的に名言されていませんが、ドラゴンや地獄の亡者みたいなものもいます。

崖の上にいるイアンに忍び寄る影。暗くて見えにくいけど
加工して見えやすくしました。静止画なのでわかりにくいですがよじ登る影が2つ確認できます
MITOに触れようとするとスカルが現れます
ドラゴンの顔も
DPRの衣装とか美術を担当しているTEAM H♾️USE
https://www.instagram.com/house.vsm/

ドラゴンは"Penut Butter & Tears"にもでてきます。

TEAM H♾️USEさんのインスタたのしいよ。見に行ってみて下さい。

https://www.instagram.com/house.vsm/
ミュージックビデオやMITO2の内側にも使われてるマスク
https://www.instagram.com/house.vsm/

グリーンとピンク、ゴールド、ブルー、パープルと、色分けされて使われるエフェクト。Mr.Insanityの相棒やこの世界の住人、グリーンやピンク、ゴールドに光る目、色んな色の蝶や光る虫(妖精)や色のついたモヤ。
色の変化は多すぎるので細かくは次回にでもやりたいと思います。

イアンが色の意味について話した内容をまとめた記事↓


左目の涙や涙の跡

MITOは左目を失明しています。
白いコンタクトが入ってるのはMITOの状態なのでそれ以外の状態の時、
(イアンやMr.Insanityの時)左目に涙の跡や両目に涙の跡があります。
涙を流している描写はないので、涙の跡で彼らの心情や感情を見ている人が推測でるようになっています。また、MITOの失明している方の左目と同じ左だけに涙の跡があるのも理由があります。イアン自身左目をつぶる癖があり、これはMITOからくるものです。明るすぎるとまぶしくて鏡を見る時も癖でつぶってしまうそうです。
これは私の予想ですが、そのくらいMITOは影響を及ぼしている存在なので、ミュージックビデオ内のイアンの時もMr.Insanityの時も彼の影響がある事を、涙の跡として表現しているのかも知れません。

まずは1曲目のFamous Last Wordsから。
イアンが手紙を書いて読み終わるとThe Other Sideへ引き込まれる時に
顔が映るんですが、よく見ると涙の跡が見えます。
どうして泣いていたのか?イアンの表情から推測するしかないですが、
明らかにマイナスイメージの涙のようです。
もう戻れないかも知れない、このまま自分を見失っていくんだろうと嘆いているのか、これから起こる試練への不安なのか。

暗くてわかりづらいです
加工してわかりやすくしました。涙の跡が見えますよね

そしてこのシーンは3曲目Don't Go Insaneの冒頭のシーンとリンクしているので、そのシーンでも。

やっぱり暗くてわかりませんね
加工して明るくするとやっぱり涙の跡ありますね(見えにくいけど)
Don't Go Insaneとリンクしている理由。イアンの手にFamous Last Wordsの手紙があります

吸い込まれた先ではこれから起こる出来事の映像が走馬灯のように見え、
未来を暗示しています。エンディングでは冒頭の吸い込まれていくシーンの巻き戻しになり、手紙に書いた文字は後ろから消えていきますが、どうして戻っているのでしょう。
最初に戻っていく様子からループしているように感じます。
この時のこの世界線のイアンはずっとループしてこの場所にいる。
ループしている事すら気づかずに。
そして差し込まれているこのシーンは?↓

回転式の円状の窓から光が差し込みます。窓の形状からグリーンの瞳にも見える。
グリーンの瞳はDear Insanity…のCDピクチャーレーベルです
涙の跡がはっきりわかる

4曲目のBad Cold (Official Visualizer)でも、左目に涙の跡。

Mr.Insanityの頬のクロスメイク自体が涙を意味しているんじゃないかな。
ピエロメイクにも涙の形がありますよね。

ちなみに、この曲でも巻き戻す表現が使われていますが、行き過ぎた高揚で危険な状態になったMr.Insanityというのは、これから起こる未来の彼であり、CDの曲順が時間軸の通りではありません。この時の彼はSo I Dancedの前かもしれないし後かもしれない。
現実の時間軸で言えば幼い頃の話に基づいた"Peanut Butter & Tears"が始りになります。
6曲目のPeanut Butter & Tearsでは、左目の下にキラキラの涙マーク。

涙のマークだけどい今までのようなリアル涙の跡じゃないので、
マイトだとわからせる為の演出かも

明らかにイアンぽくないので、彼はPreMITO(プレマイト)なんじゃないかと思っています。マイトになりきる前のマイト。
Peanut Butter & Tearsはイアンの小さい頃の思い出からインスパイアされているので、そこにはもちろん彼もいます。

あとグリーンが泣いてるシーンがありますが、グリーンはイアンにとって味方の立場です。イアン自身を反映してる可能性もあります。(これから発展していくキャラらしいので神に化けるかも)なのでイアンが人前で泣けないからグリーンが代わりに泣いてるのかもしれません。

次回は蝶や妖精などのエフェクト、ミュージックビデオで表現されている色について書いてみようと思います。


余談ですが、トップ画像はAIで作りました。
The Other Side感が出て、思いのほか良かったので使いました。
無料のAI生成アプリで遊んでるんですが、キーワードを入力すると適当に作ってくれるので手軽で楽しいです。

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