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映画「Life is beautiful」感想

映画史に残る名画、実は私はまだ見たことがなかった。
夫の大好きな映画ということで連休の初日に鑑賞した。

前半は飛ばして最後の感想として、
私はハッピーエンドが好きなので、エンディングが衝撃すぎたことと、他の収容者が(確実に初めより人数が減っているが)助かっているところを見ると、主人公も助かる可能性があったのではという焦燥感と哀しみとで溢れてしまった。

映画鑑賞後、一旦冷静になりお手洗いに立った。
そこで気付いた、これは誰に感情移入するかで感想が変わるな、と。


私は女性、異性愛者、既婚、ということもあり、主人公の妻であるドーラに感情移入をした。それもあり、収容中に主人公と息子が館内放送を使い、自分たちの愛と無事を伝えたシーンにいたく感動した。あぁ、生きているんだ、という安心感。

だからこそ、最後に息子は助かったものの、最愛の夫は失った中で(もちろん夫の暗躍があってこその息子の命ではあったのとは思うが)この映画のことを素直に「素晴らしい」と思うことができなかった。

逆に私の夫は、主人公の、男性や父親という立場に感情移入をして、結果的に「素晴らしい」という感想が導かれたのではないかと感じた。自分がもし主人公に近い立場で、そちらの方に感情移入をしていたのであれば、確かに主人公は確実に英雄だ。男としても、自分自身は死んでしまうが、最愛の妻は生きていて、そして息子のことも守ることができた。やるべきことはやり遂げた。だから「哀しいけれど良い映画」となるのかもしれない、と勝手に想像を膨らませた。

確実に救いのない史実だからこそ、せめて映画上では救いを求めてしまうのは、やはりハッピーエンド好きの性なのだろう。

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