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呻吟語

 またしても、『中国古典の名著50冊をざっと1冊で学べる』から、今度は「呻吟語」。

 「呻吟語」は、明末の呂新吾という人が書いたもの。内容は、『ビキナーズ・クラシックス 中国の古典 呻吟語』によると、「呂新吾が当時の社会に向けて発した歎きの声」ってことのようだ。
 篇名を見ると、「世運」、「品藻(ひんそう)」、「人情」、「治道」、「談道」、「聖賢」等…と様々だ。
 「応務」には、[人を責める時には、あまりに徹底的に言ってしまうのはいけない]とか、[今の人は、人を憎む気持ちが多いので、私の言葉も一向に入っていかない]とか、現世を嘆いたり、忠告したりしている。
 「聖賢」には、[聖人ははなはだ困難なことをもって人に強要したりはしない。ただ相手の自然のやる気を引き出すようにするだけなのだ]という言葉がある。

前回を引っ張る?

 『ビキナーズ・クラシックス…』では、『論語』述而篇の「先生は言われた『知りたい気持ちが盛り上がってこなければ教えない。言いたいことが口まで出かかっているようでなければ導かない。物事の一つの隅を示すと、残った三つの隅ひも反応して答えてこないようなら、同じことを繰り返さない。』」を引いて、聖賢の教育法をとする。

 あと、「聖賢」篇には、

貧乏ペア😅😁。

 孔子と顔回は、貧乏暮らしであったが、その仁徳が天下を覆いつくすのを防げなかった。なぜならば、仁徳が天下を覆いつくす備えが自分自身にあり、また仁徳が天下を覆いつくすという心を一日も忘れたことがなかったからである。

 腐敗した明の世を歎き、孔子の頃のようだったらなぁ…と思う、呂新吾の心情を示した言葉なのかも。

          🐻

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