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「モンスターズ・ユニバーシティ」に学ぶ演出技法【帽子】

映像表現において衣装は自分の帰属する組織を表すアイテムとして使われます。その一つが帽子です。

自分の所属、帰属先を規定するアイテム = 衣装(帽子)

引用元:モンスターズ・ユニバーシティ

モンスターズ・ユニバーシティにおいてマイクがの帽子にはもう一つ意味が付加されていました。
子供の頃にもらったモンスターズ・ユニバーシティの帽子は、『モンスターズ・インクに入るという夢の象徴』となっています。

夢の始まり
マイクは子供の時、モンスターズ・インクの社員からこの帽子をもらい同社に入ることを夢見てモンスターズ・ユニバーシティにやってきました。

引用元:モンスターズ・ユニバーシティ

この大切な帽子は夢を持ってモンスターズ・ユニバーシティにやってきた際にもかぶっています。

引用元:モンスターズ・ユニバーシティ

作中で事あるごとにマイクはこの帽子をかぶっており、彼にとってこの帽子は夢=輝かしい未来の象徴となっています。

夢の終わり
紆余曲折があり、物語終盤でマイクは自分には才能がなく『モンスターズ・インクに入ることができない』事実と向き合います。
その際に夢の象徴である帽子が燃えてしまい、モンスターズ・ユニバーシティからも退学させられてしまいます。

引用元:モンスターズ・ユニバーシティ

夢の復活
大学を退学になったマイクですが、郵便仕分けの作業員としてモンスターズ・インクに入社し、最終的に夢であった驚かせ屋担当に配属されます。

その際新たな夢の始まりの象徴として、燃えてしまった帽子と同じ青色のヘルメットをかぶります。

引用元:モンスターズ・ユニバーシティ

子供の頃と思っていた形は違うけれど、夢に見ていた場所までたどり着いたことを表しています。


まとめ
このように衣装は所属先を表す小道具として使うこともでき、この作品では夢の象徴としての意味も持っていたということになります。
作品によってどの小道具にどのような意味付けをするかは違っているのですが、夢であったり誰かの形見であったり、そのキャラクターの内面性を表す象徴として機能するようになっていることが多々あります。

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