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演出解析

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世に出ている映像作品の演出を解析していきたいと思います。 映像制作を志す人たちの参考になれば良いかなと思っています。
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#とは

「モンスターズ・ユニバーシティ」に学ぶ演出技法【線をまたぐ】

「モンスターズ・ユニバーシティ」に学ぶ演出技法【線をまたぐ】

映画において特定の動作に特定の意味合いをもたせることができます。

作品のなかで世界や状況、立場などを分ける象徴的な存在として「線」が出てきます。

特にこの作品では「線をまたぐ」という行為に特別な意味合いをもたせています。

立入禁止の線

引用元:モンスターズ・ユニバーシティ

子供時代、モンスターズインクで立ち入り禁止の線 = プロフェッショナルの職場とそれを見学する側を分ける線

子供部屋

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「モンスターズ・ユニバーシティ」に学ぶ演出技法【帽子】

「モンスターズ・ユニバーシティ」に学ぶ演出技法【帽子】

映像表現において衣装は自分の帰属する組織を表すアイテムとして使われます。その一つが帽子です。

自分の所属、帰属先を規定するアイテム = 衣装(帽子)

引用元:モンスターズ・ユニバーシティ

モンスターズ・ユニバーシティにおいてマイクがの帽子にはもう一つ意味が付加されていました。
子供の頃にもらったモンスターズ・ユニバーシティの帽子は、『モンスターズ・インクに入るという夢の象徴』となっています。

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「モンスターズ・ユニバーシティ」に学ぶ演出技法【影の中と外】

「モンスターズ・ユニバーシティ」に学ぶ演出技法【影の中と外】

映像表現において、日向にたつか日陰に立つかでそのキャラクターの善悪を表現したり、日向と日陰に複数のキャラクターを分けて配置することで敵対していたり意見が対立していたりすることなどを表現することができます。

モンスターズ・ユニバーシティではキャラクターを日向と日陰に分けて配置することで、意見の対立が起きていること、別れのシーンであることなどを表現しています。

意見の対立
ウーズマカッパというサー

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「モンスターズ・ユニバーシティ」に学ぶ演出技法【鏡像】

「モンスターズ・ユニバーシティ」に学ぶ演出技法【鏡像】

映像表現において鏡像は象徴的に使われることがあります。
鏡に映る自分の姿を見ながら自らに語りかけることで本心を吐露したり、自らを見つめ直したり自分を客観視したりすることに使われたりします。

モンスターズ・ユニバーシティでは「自分をどう見ているのか」ということを映像的な比喩として使っています。

歪んだ鏡像
ストーリー前半、主人公マイク・ワゾウスキは優勝カップ(鏡)に映る自分を見ながら、子供を驚か

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